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定着ベルトへの用紙巻き込みが原因で、紙づまりがなかなか解消されない
ユーザーズガイドに記載されている紙づまりの対処を行ったにもかかわらず、続けて用紙がつまったり、用紙の角が折れて出力される場合は、定着ベルトに用紙が巻き込まれている可能性があります。以下を確認してください。
定着ベルトに用紙が巻き込まれる原因を理解する
定着ベルトに用紙が巻き込まれる原因として以下の3点が考えられます。
高湿のため用紙が多くの水分を含んでしまっている
湿度が高いと用紙が水分を多く含み、その結果、定着ベルトに巻き込まれる可能性も高くなります。
用紙が薄い、用紙にコシがない
薄い用紙や、コシがなく曲がりやすい用紙はカールしやすく、定着ベルトに巻き込まれる可能性も高くなります。
用紙の先端付近に濃度の高い部分がある
濃度が高い部分には高濃度のトナーが付着し、それが用紙と定着ベルトとの間で接着剤の役目をはたします。その結果、用紙先端が定着ベルトから離れにくくなり、巻き込みが発生しやすくなります。
定着ベルト
加圧ローラー
用紙先端の余白が少なく、トナー量が多いと用紙は定着ベルトに巻き込まれやすくなる
定着ベルト
加圧ローラー
用紙先端の余白が多く、トナー量が少ないと用紙は定着ベルトに巻き込まれにくくなる
用紙の水分量を適正な状態にする
以下の項目に従って、用紙の水分量を適正な状態にしてください。
適切な湿度/温度の下に用紙を移動し、しばらくその環境になじませてからセットしてください。適切な湿度/温度については、ユーザーズガイドなど他のガイドを参照してください。
用紙が吸湿しているときは、ペーパーデッキのヒーター*を入れて用紙を乾燥させてください。ヒーターの入れ方については担当サービスにお問い合わせください。
*カセットヒーターユニットはオプション品です。
メモ
本機の設置環境を再度確認してください。温度/湿度が一定に保たれた室内に設置されていますか?また、用紙は本機の設置環境と同じ環境で保管するようにしてください。
用紙は包装された状態のまま本機のそばに置き、温度や湿度に十分なじませてからセットするようにしてください。
用紙はセットする直前に包装紙から取り出すようにしてください。
本機の設定値を変更する
自動階調補正をする
自動階調補正を行うとトナー使用量が適正化され、巻き込みが減少する可能性があります。
(設定/登録)→[調整/メンテナンス]→[画質調整]→[自動階調補正]で自動階調補正を行ってください。
ユーザーズガイド「印刷や仕上げ品質を調整する」>「画質調整」>「階調を補正する」
光沢性を下げる
光沢性の設定値を下げると定着器の温度が下がり、その結果、用紙のカールが抑えられて巻き込みが減少する可能性があります。ただし画像の光沢性が失われる場合がありますので、必ず出力結果を確認してください。
重要
この機能は、管理者以外は設定変更しないでください。設定を変更する場合の操作方法については担当サービスにお問い合わせください。
(設定/登録)→[環境設定]→[用紙設定]→[用紙種類の管理設定]→巻きつきが起こる用紙銘柄を選択→[詳細/編集]→<光沢性/黒品位の調整>の[変更]→<光沢性>の値を「-」方向に調整してください。
ユーザーズガイド「用紙種類の管理設定」>「よく使う用紙の情報を登録する」>「光沢性/黒品位の調整」
トナー量調整モードをONにする
トナー量調整モードをONにするとトナー使用量が減り、巻き込みが減少する可能性があります。ただし色味に変化が生じる場合がありますので、必ず出力結果を確認してください。
重要
この機能は、管理者以外は設定変更しないでください。設定を変更する場合の操作方法については担当サービスにお問い合わせください。
(設定/登録)→[環境設定]→[用紙設定]→[用紙種類の管理設定]→巻きつきが起こる用紙銘柄を選択→[詳細/編集]→<トナー量調整モード>の[変更]→[ON]を選択します。
ユーザーズガイド「用紙種類の管理設定」>「設定できる項目について」>「トナー量調整モード」
厚紙と薄紙を交互に使って印刷しているときは
厚紙から薄紙に用紙が変わるタイミングで巻き込みが発生する場合は、生産性優先モードではなく画質優先モードにしてみてください。ただし、このモードを選択すると、用紙種類が変わるごとに待機時間が発生して生産性が落ちる原因となります。
重要
この機能は、管理者以外は設定変更しないでください。設定を変更する場合の操作方法については担当サービスにお問い合わせください。
(設定/登録)→[調整/メンテナンス]→[画質調整]→[用紙種類混載プリント時の設定]→[画質優先]を選択します。
ユーザーズガイド「設定/登録」>「調整/メンテナンス」>「画質調整」><用紙種類混載プリント時の設定>
メモ
ジョブによっては、プリント開始からしばらくの間プリントスピードが低下することがあります。
それでも直らないときは?
「用紙の水分量を適正な状態にする」と「本機の設定値を変更する」の方法を試しても、なお巻き込みが生じる場合は、以下の対処によって改善されることがあります。ただし、発注内容と異なる対処を行うことになりますので、必ず事前に顧客の了解を得るようにしてください。
用紙の種類を変える
より厚く、コシのある用紙を使うことで、巻き込みが減少する可能性があります。
濃度を下げる
高濃度部の濃度を薄くしてください。付着するトナー量が減少し、用紙が定着ベルトなどから剥離しやすくなります。
用紙先端の余白を広げる
用紙先端からトナー付着部までの余白を広げてください。これによって、用紙先端が定着ベルトなどから剥離しやすくなります。
特定の用紙で頻繁に巻き込みが生じるときは
該当する用紙の余白を一律で広げるように設定を変更することも可能です。
重要
この機能は、管理者以外は設定変更しないでください。設定を変更する場合の操作方法については担当サービスにお問い合わせください。
(設定/登録)→[環境設定]→[用紙設定]→[用紙種類の管理設定]→巻きつきが起こる用紙銘柄を選択→[詳細/編集]→<先端/後端余白調整>の[変更]で<先端>の値を「+」方向に調整してください。
ユーザーズガイド「用紙種類の管理設定」>「設定できる項目について」>「先端/後端余白調整」