文字コードの切り換えによる印刷方法

JAN、EAN、UPCコードはデータパターンによって、同一コードでもバーコードのデザインが違うことは前項で説明しましたが、キヤノン複合機/プリンターまたはコントロールROMでは、異なるデータパターンのデザインを、別のコードとして1つの文字セット(J_ _ _ _A.BARまたはBARjan-A.BAR)に格納しています。たとえば、データパターンCでのコード"0"のデザインはコード"P"として格納しています。
以下の方法は、印字する文字コードを置き換えることにより、1つの文字セットで印字します。

LIPSモードでの印刷方法

以下の手順でキヤノン複合機/プリンターに送ることによって印刷できます。
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文字セット(BARjan-A.BAR)を文字セット名称選択命令にて選択します。
2
JAN、EAN、UPC等印刷するバーコードに合わせて文字コードを指定します。文字コードの置換方法は、文字コードの置換以降をご参照ください。

各種エミュレーションモードでの印刷方法

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文字セット名称選択命令Iのコマンドをキヤノン複合機/プリンターに送ることによって印刷します。
(例)
ESC/Pエミュレーションモード時、文字セット名称"J3060A.BAR"でバーコードデータ912345678904を印刷する場合
ESC | [SP]__fJ3060A.BAR,100,100,000,00015L9A23DEMVWXYPTN
文字セット名称選択命令Iの各パラメータは、以下のように設定してください。
文字セット名称:
J_ _ _ _A.BARの文字セット
横拡大率:
1/2~2倍
縦拡大率:
1/2~2倍
文字ピッチ:
文字セット固有の文字ピッチ
ただし、縦横の拡大率を1/2、2倍の組み合わせでの指定時はそれぞれ等倍になりますので、ご注意ください。
文字コードのバイト数:
バーコードの文字コードのバイト数
文字コード:
バーコードの文字コード
バーコードの文字コードは、JAN、EAN、UPC等によって文字コードを置換して指定する必要があります。
文字コードの置換方法は、文字コードの置換以降をご参照ください。
文字セット名称選択命令Iは、各エミュレーションモードの取扱説明書をご参照ください。
LIPSモードのユーザーページ機能を使用する場合には、操作パネルからESC/PのHEX/LIPS機能を有効にしておく必要があります。詳細については、キヤノン複合機/プリンターの取扱説明書、またはエミュレーションガイドを参照してください。

文字コードの置換

JAN、EAN、UPC標準バージョンの場合

コード番号1桁目によって以下の文字コード置換パターンに従って文字コードを指定します。
先頭1桁
文字コードの置換パターン
0
DL AAAAAA DM CCCCCCDR
UPC コード
1
DL AABABB DM CCCCCCDR
2
DL AABBAB DM CCCCCCDR
3
DL AABBBA DM CCCCCCDR
4
DL ABAABB DM CCCCCCDR
JAN コード
5
DL ABBAAB DM CCCCCCDR
6
DL ABBBAA DM CCCCCCDR
7
DL ABABAB DM CCCCCCDR
8
DL ABABBA DM CCCCCCDR
9
DL ABBABA DM CCCCCCDR
解説:
コード番号の1桁目によって2桁目から13桁目を上記の置換パターンで各桁のバーコードを指定します。
DL=L(文字コード4C(h))レフトガードバー
DM=M(文字コード4D(h))センターガードバー
DR=N(文字コード4E(h))ライトガードバー
A = データキャラクタ
0~9
(文字コード30(h)~39(h))をそのまま指定します。
B = データキャラクタ
0~9
(文字コード30(h)~39(h))を@~I(文字コード40(h)~49(h))に置換して指定します。
C = データキャラクタ
0~9
0~9(文字コード30(h)~39(h))をP~Y(文字コード50(h)~59(h))に置換して指定します。
なお、A、B、Cパターンの置換は、表1-1 A、B、Cパターンの置換表の置換表をご参照ください。

JAN、EAN短縮バージョンの場合

以下の文字コード置換パターンに従って文字コードを指定します。
文字コードの置換パターン
DL AAAADMCCCCDR
解説:
DL=L(文字コード4C(h))レフトガードバー
DM=M(文字コード4D(h))センターガードバー
DR=N(文字コード4E(h))ライトガードバー
A = データキャラクタ
0~9
(文字コード30(h)~39(h))をそのまま指定します。
C = データキャラクタ
0~9
(文字コード30(h)~39(h))をP~Y(文字コード50(h)~59(h))に置換して指定します。
なお、A、Cパターンの置換は、表1-1 A、B、Cパターンの置換表の置換表をご参照ください。

UPC短縮バージョンの場合

コード番号の末尾の番号によって、以下の文字コードの置換パターンに従って文字コードを指定します。
文字コードの置換パターン
末尾(CD)
DL BBBAAA DE
0
DL BBABAA DE
1
DL BBAABA DE
2
DL BBAAAB DE
3
DL BABBAA DE
4
DL BAABBA DE
5
DL BAAABB DE
6
DL BABABA DE
7
DL BABAAB DE
8
DL BAABAB DE
9
CD = チェックデジット
解説:
文字コードの末尾はチェックデジット(以下CD)となっています。
CDによって上記の文字コードの置換パターンに従って各桁の文字コードを指定します。UPC短縮のCDの計算方法は、UPC短縮バーコードチェックデジット計算方法をご参照ください。また、コード番号2桁目から、7桁目の6桁をバーコードとして印字、先頭1桁目と末尾のCDは、バーコードとして印字しません。
DL=L(文字コード4C(h))
DE=0(文字コード4F(h))
A = 文字コード
0~9
(文字コード30(h)~39(h))をそのまま指定します。
B = 文字コード
0~9
(文字コード30(h)~39(h))を@~I(文字コード40(h)~49(h))に置換して指定します。
なお、A、Bパターンの置換は、表1-1 A、B、Cパターンの置換表の置換表をご参照ください。
表1-1 A、B、Cパターンの置換表
データ
パターン
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
B
@
A
B
C
D
E
F
G
H
I
C
P
Q
R
S
T
U
V
W
X
Y
ライトガードバーは、文字セット切り換えの印刷の場合と指定する文字コードが異なりますのでご注意ください。
(例1)
JANコード(13桁)"912345678904"を印字する場合
→指定するコードは以下のようになります。
(例2)
JANコード(8桁)"91234567"を印字する場合
→指定するコードは以下のようになります。
(例3)
UPCコード(短縮)"01234505"を印字する場合
→指定するコードは以下のようになります。
83K1-00A