ユーザーユニット

ユーザーユニットは、ユーザー独自にグリッド間隔を設定できる座標系です。プロットする図面やグラフの数値に合わせてグリッド間隔を調整(「スケーリング」といいます)できます。
ユーザーユニットのグリッド間隔は、次のようにして決定します。
まず、用紙上にスケーリングポイントP1、P2と呼ばれる2つの基準となる点をプロッターユニットで指定し、この2点が対角となる矩形の領域を設定します。その領域のX方向およびY方向の距離に対して分割したいグリッド数を与えると、距離と分割数が決まり、グリッド間隔が計算されます。これがユーザーユニットです。
ユーザーユニットは、X方向とY方向のグリッド間隔が揃っている必要はなく、目的に合わせてグリッド間隔を設定することができます。
なお、ユーザーユニットは、スケーリングポイントP1、P2を変化させるとそれに合わせて変更されますが、用紙サイズを変えてもP1、P2が同じ位置であれば影響を受けません。
HP-GLの「P1とP2入力命令IP」によってスケーリングポイントは決まり、「スケーリング設定命令SC」によってユーザーユニットの座標が割り当てられます。
たとえば、スケーリングポイントが初期状態の位置で、(0,0)、(1000,1000)のユーザーユニットを割り当てたとき、1辺が500の正方形塗りつぶしを描画すると次のようになります。
1ユーザーユニットが1プロッターユニットより小さくなるような設定を行うと、1プロッターユニットと同じに設定されます。
また、スケーリングポイントP1、P2に割り当てる座標によって、X軸、Y軸が反転する場合があります。
ユーザーユニットは、「スケーリング設定命令」で次の3通りのタイプ(タイプ0、タイプ1、タイプ2)を設定することができます。

タイプ0

X、Yの最小値をスケーリングポイントP1の座標、X、Yの最大値をP2の座標値に割り当てます。タイプに0を指定します。それぞれの最小値および最大値によって、ユーザーユニットが決定されます。
スケーリング設定命令SC≪xの最小値、xの最大値、yの最小値、yの最大値、タイプ≫
(例)x軸、y軸方向に4本ずつグリッドを引く場合:SC≪0、4、0、4、0≫

タイプ1

X、Yの最小値をスケーリングポイントP1の座標値、X、Yの最大値をP2の座標値に割り当てます。タイプに1を指定します。それぞれの最小値および最大値によって、ユーザーユニットが決定されます。
その座標領域が短い辺に合わせて正方形になるように修正されます。また、座標領域の位置を修正間隔のオフセット率(左端、下端)により指定できます。修正間隔のオフセット率分をP1より移動させることによって、座標領域の位置を設定できます。オフセット率(左端、下端)の指定がされていない場合は、領域を中央に移動します。左端、下端両方のオフセットが有効になることはありません。
スケーリング設定命令SC≪xの最小値、xの最大値、yの最小値、yの最大値、タイプ、左端のオフセット率、下端のオフセット率≫
(例1)左端のオフセット率(70%)が有効になる場合:SC≪0、4、0、4、1、70、70≫
(例2)下端のオフセット率(70%)が有効になる場合:SC≪0、4、0、4、1、70、70≫

タイプ2

X、Yの最小値をスケーリングポイントP1の座標値X、Yに割り当て、1ユーザーユニットの単位をプロッターユニットをもとに設定します。P2の座標値は関係しません。
各方向の単位は、プロッターユニットが0.02500 mmの場合以下のようになります。
x方向の単位:0.02500 mm×a(a= -8388608~+8388607)
y方向の単位:0.02500 mm×b(b= -8388608~+8388607)
スケーリング設定命令SC≪xの最小値、a、yの最小値、b、タイプ≫
(例)P1=(0、0)、a=4000、b=4000の場合:SC≪0、4000、0、4000、2≫
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