2系統のネットワーク環境を構築したい
セキュリティー対策のために、同一オフィス内にもかかわらず部署やフロアーごとでネットワークを分離し、それぞれに複合機を配置していませんか?
本機には、有線LANまたは無線LANでの単一接続によるネットワーク環境だけではなく、有線LANと無線LAN、有線LANとUSB-LANアダプター*で接続した別の有線LANといった2系統でのネットワーク環境を同時に併用することができます。これにより、従業員はメインの回線を使用し、お客様には機能を制限したサブの回線をご利用頂く、といったネットワーク環境の構築が容易になります。また、ネットワーク環境ごとに複合機を設置する必要もなくなるため、コスト削減にもつながります。
* 使用可能なUSB-LANアダプターについては、販売店または担当サービスにお問い合わせください。
本機およびユーザーズガイドでは、2系統ネットワークにおいてメインで使用する有線LANを「主回線」、サブで使用する無線LANまたは別の有線LANを「副回線」と呼びます。
2系統ネットワークに必要な設定の流れ
2系統ネットワーク環境では、主回線と副回線で別々に設定する項目があります。ここでは副回線のネットワークに必要な設定を紹介します。
Step 1 | |
| <有線LAN+無線LAN>または<有線LAN+有線LAN>を選択します。 |
Step 2 | |
| IPv4アドレスの設定は<副回線設定>にある<IPアドレス設定>から行います。静的ルーティングを使用する場合は、ゲートウェイアドレスも設定します。 |
Step 3 | |
| 副回線にUSB-LANアダプター接続での有線LANを使用する場合に設定します。 * お使いの環境に合わせて必要な設定を行ってください。 |
Step 4 | |
| 利用する/制限する機能のポート番号を副回線のファイアウォール設定に登録します。 * お使いの環境に合わせて必要な設定を行ってください。 |
Step 5 | |
| ルーターを介して他のネットワークに接続する場合に静的ルーティングを設定します。 * お使いの環境に合わせて必要な設定を行ってください。 |
Step 6 | |
| DNSの名前解決やプロキシーを介したネットワーク接続が利用できない環境において、特定のシステムデータ通信を行う場合に設定してください。 * お使いの環境に合わせて必要な設定を行ってください。 |
副回線を使用する際の注意事項
主回線は本機で設定するネットワーク機能すべてが利用できますが、副回線は利用できる機能に制限があります。
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DNSサーバーとWINSサーバー設定は、主回線と同時に利用できません。 <システムデータ通信用設定>にある<DNSサーバーアドレスの設定>や<プロキシー設定>は、特定のシステムデータ通信にのみ利用可能です。システムデータ通信以外の用途で副回線にDNSやプロキシーを使用する場合は、主回線の設定に副回線で使用するアドレスやポート番号を登録してください。 DNSの設定をするプロキシーを設定する |
副回線で利用が制限される機能
副回線では、次のようなネットワーク機能は利用できません。
IPv6アドレス設定
IEEE802.1X認証
IPsec
NetBIOS
SIP
FTP(ACTIVEモード)
DHCPオプション設定
DNSの動的更新設定
マルチキャスト探索設定
AutoIPによるIPアドレス設定
MACアドレスフィルターによるファイアウォール設定
SMBプロトコルを使った参照
上記のような制限のため、次のような機能やサービスは利用できません。
MEAPアプリケーションにてサーバー接続を行うような印刷/集計システムの構築
Active Directoryサーバーへの認証システムの構築
SMBやWebDAVプロトコルからDNSの名前解決およびNetBIOS名での名前解決を使ったファイル送信*1
副回線側の他の複合機をマルチキャスト探索を使っての自動探索*1
次のような主回線のIPアドレスを参照する機能
[セキュリティーポリシー設定]
<リモートアドレス帳公開設定>
<カスタム設定の同期>*2
<機器情報配信の設定>
一括インポート/エクスポート
ビジュアルメッセージ
IPファクス
BMLinkS
リモートファクス(クライアント)
Universal Print
*1 IPアドレスを直接指定してください。
*2 同一の複合機で動作するサーバーへクライアントからアクセスする際に副回線を利用した接続