WebDAVサーバーの設定方法

WebDAV送信機能とは、スキャナーから読み込んだ画像ファイル、またはボックスやシステムボックスから送信された画像ファイルを、WebDAVプロトコルを使用してインターネットやイントラネット上のWebDAVサーバーの指定ディレクトリーに送信する機能です。
ここでは、WebDAV発行ディレクトリーのサーバーへのセットアップ手順を説明しています。
発行ディレクトリーをセットアップすると、アクセス権のあるユーザーは、ディレクトリー内のファイルの操作を行えるようになります。
WebDAVサーバーの設定は、お使いのネットワーク環境の管理者と相談して設定することをおすすめします。
重要
WebDAVサーバーへの送信は、サーバーの認証を受ける必要があります。WebDAVサーバーを使用する前に、認証を有効にしてください。
Windows Server 2008/7/Server 2008 R2/8.1/Server 2012/10でIISをお使いの場合:
認証方法は、匿名認証、基本認証、ダイジェスト認証で、それ以外の認証方法では認証エラーとなります。匿名認証を有効にすると、全てのユーザーにアクセスが許可され、他の二つの認証方法が設定してあってもIISは常に匿名認証を優先します(優先度は、高い順に匿名認証、ダイジェスト認証、基本認証になります)。高いセキュリティーを必要とする場合は、匿名アクセスのチェックマークを外してください。基本認証、ダイジェスト認証には、WebDAVサーバーのアドレス帳に登録されているユーザー名とパスワードを使用します。各認証の設定方法の詳細は、IISの説明書を参照してください。
Apacheをお使いの場合:
認証方法は、基本認証、ダイジェスト認証で、それ以外の認証方法では認証エラーとなります。ディレクトリータブに、基本認証とダイジェスト認証の両方を記述した場合は、最後の記述が有効になります。認証には、WebDAVサーバーのアドレス帳に登録されているユーザー名とパスワードを使用します。各認証の設定方法の詳細は、Apache Software Foundationのホームページ(http://www.apache.org/)を参照してください。

Windows Server 2008/7/Server 2008 R2/8.1/Server 2012/10でIISをお使いの場合

手順中の項目名は、Windows 8.1のものです。お使いのOSの種類によっては、項目名などが異なることがあります。
1.
お使いのコンピューターの[C:/Inetpub]フォルダーに、送信先として使用する物理ディレクトリーを作成
重要
wwwrootの既定のDACLは他のディレクトリーのものと異なるため、物理ディレクトリーは[C:/Inetpub/wwwroot]フォルダーには作成できません。
2.
IISを起動→仮想ディレクトリーを作成
IIS 5.1/6.0の場合:
IIS 7.0/IIS 7.5/IIS 8.0/IIS 8.5の場合:
IIS 5.1/6.0の場合:
IISマネージャを起動
IISスナップインでディレクトリーを追加するWebサイトを選択
[操作]メニューから[新規作成]→[仮想ディレクトリ]を選択
仮想ディレクトリーの作成ウィザードに従って、ディレクトリーの作成を完了
IIS 7.0/IIS 7.5/IIS 8.0/IIS 8.5の場合:
IISマネージャ/IISマネージャーを起動
左側の接続ペインで[Default Web Site]を右クリック→[仮想ディレクトリの追加]を選択
エイリアスと物理パスを入力→[OK]をクリック
3.
手順1で作成したディレクトリーのパスを、仮想ディレクトリーの物理的パスとして指定
4.
仮想ディレクトリーのプロパティでアクセス許可を設定
IIS 5.1の場合:
IIS 6.0の場合:
IIS 7.0/IIS 7.5/IIS 8.0/IIS 8.5の場合:
IIS 5.1の場合:
仮想ディレクトリーを右クリック→ポップアップメニューから[プロパティ]を選択
[書き込み]にチェックマークを付ける→[OK]をクリック
IIS 6.0の場合:
IISマネージャの[Webサービス拡張]で[WebDAV]を[許可]に設定
IIS 7.0/IIS 7.5/IIS 8.0/IIS 8.5の場合:
IISマネージャ/IISマネージャーの左側の接続ペインから、作成した仮想ディレクトリーを選択
[ホーム]の[WebDAVオーサリング規則]/[WebDAV Authoring Rules]をダブルクリック
[操作]の[オーサリング規則の追加]/[Add Authoring Rule]をクリック
[オーサリング規則の追加]/[Add Authoring Rule]ダイアログボックスで、適切なアクセス設定を入力→[OK]をクリック
左側の接続ペインから仮想ディレクトリーを再度選択
[操作]の[アクセス許可の編集]をクリック
プロパティダイアログボックスの[セキュリティ]タブで、その物理ディレクトリーに対するアクセス権を設定→[OK]をクリック
5.
TLS暗号化通信に必要な設定を行う
TLS暗号化通信に必要な設定の詳細については、IISの説明書を参照してください。
6.
本製品の操作パネルで宛先を設定
宛先の設定例:
サーバー側の設定
C:/Inetpub/export/share/home/users/という物理ディレクトリーを作ったあとで、このディレクトリーにリンクする仮想ディレクトリーを作り、データの送信先にする。
本製品の宛先の設定
<プロトコル:>:
WebDAV
[ホスト名]:
https://example.cse.canon.co.jp/
[フォルダーへのパス]:
/export/share/home/users/
[ユーザー名]:
(WebDAVサーバーの基本認証、ダイジェスト認証に必要なユーザー名)
[パスワード]:
(WebDAVサーバーの基本認証、ダイジェスト認証に必要なパスワード)
重要
操作パネルの[ホスト名]に入力できるのは、半角128文字(全角64文字)以内です。また、[フォルダーへのパス]は半角255文字(全角127文字)以内です。それぞれ制限文字数以内になるようにサーバー側を設定してください。
タッチパネルディスプレーの表示言語を切り替えると、[ホスト名]や[フォルダーへのパス]が正しく表示されないことがあります。
マスターブラウザーとなっているコンピューターと本製品の操作パネルの表示言語が異なる場合、[ホスト名]や[フォルダーへのパス]が正しく表示されなかったり、参照できないことがあります。
IPv6ホストに送信するときは、[ホスト名]は次の形式で設定してください。
<IPv6アドレス>:<ポート番号>
例:[5aed:90a0:bc05:01d2:568a:2fc0:0001:12ee]:21000

Apacheをお使いの場合

次の手順では、Windowsのファイルシステム上で、C:/Program Files/Apache Group/ Apache2配下にusers/user_name/WebDAVディレクトリーを作成する場合を例として説明しています。
1.
httpd.confを編集
行頭の「#」を削除→WebDAV モジュールを組み込む
変更対象となるディレクティブ:
変更前
#LoadModule dav_module modules/mod_dav.so
#LoadModule dav_fs_module modules/mod_dav_fs.so
変更後
LoadModule dav_module modules/mod_dav.so
LoadModule dav_fs_module modules/mod_dav_fs.so
サーバー名称を設定
変更対象となるディレクティブ:
変更前
#ServerName localhost:80 
変更後
#ServerName localhost:80 
ServerName Apache-Server.ccm.canon.co.jp:80
ユーザーディレクトリーを変更
変更対象となるディレクティブ:
変更前
UserDir"My Documents/My Website"
変更後
# UserDir"My Documents/My Website"
UserDir"C:/Program Files/Apache Group/Apache2/users""
DAV機能を有効にするため、次のディレクティブを追加
<Location /~user_name/WebDAV>
DAV On
</Location>
2.
TLS暗号化通信に必要な設定を行う→ApacheサービスがTLSに対応した状態で起動するようにhttpd.confを変更
詳細については、Apache Software Foundationのホームページ(http://www.apache.org/)を参照してください。
3.
Apacheを再起動
4.
本製品の操作パネルで宛先を設定
宛先の設定例:
サーバー側の設定
C:/Program Files/Apache Group/Apache2配下にusers/user_name/WebDAVディレクトリーを作り、データの送信先にする。
本製品の宛先の設定
<プロトコル:>:
WebDAV
[ホスト名]:
https://Apache-Server.ccm.canon.co.jp/
[フォルダーへのパス]:
/~user_name/WebDAV/
[ユーザー名]:
(WebDAVサーバーの基本認証、ダイジェスト認証に必要なユーザー名)
[パスワード]:
(WebDAVサーバーの基本認証、ダイジェスト認証に必要なパスワード)
重要
操作パネルの[ホスト名]に入力できるのは、半角128文字(全角64文字)以内です。また、[フォルダーへのパス]は半角255文字(全角127文字)以内です。それぞれ制限文字数以内になるようにサーバー側を設定してください。
タッチパネルディスプレーの表示言語を切り替えると、[ホスト名]や[フォルダーへのパス]が正しく表示されないことがあります。
マスターブラウザーとなっているコンピューターと本製品の操作パネルの表示言語が異なる場合、[ホスト名]や[フォルダーへのパス]が正しく表示されなかったり、参照できないことがあります。
IPv6ホストに送信するときは、[ホスト名]は次の形式で設定してください。
<IPv6アドレス>:<ポート番号>
例:[5aed:90a0:bc05:01d2:568a:2fc0:0001:12ee]:21000

重要
お使いのコンピューターにIISがインストールされていない場合は、設定を行う前に「データを送信する」を参照してお使いのOSに必要なIISをインストールしてください。インストール方法の詳細は、OSの説明書などを参照してください。
IIS 7.0/IIS 7.5/IIS 8.0/IIS 8.5に対してWebDAV送信する場合には、基本認証かダイジェスト認証のいずれかを使用してください。
IIS 6.0を使用してダイジェスト認証を設定する場合にプロキシー経由でWebDAVサーバーに接続するときには、本製品の操作パネルで[WebDAV送信時にチャンク分割送信を使用]を「ON」にする必要があります。(→WebDAV送信時にチャンク分割送信を使用する)
IIS 7.0でWebDAVを使用する場合は、Microsoft WebDAV ExtensionをIISのサイトからダウンロードして別途インストールする必要があります。詳細はIISの説明書を参照してください。
macOSには、Apache 1.3が標準添付されています。それ以外の場合にお使いのコンピューターにApacheがインストールされていないときには、設定を行う前に「データを送信する」を参照して、お使いのOSに必要なApacheをApache Software Foundationのホームページ(http://www.apache.org/)からダウンロードしてインストールします。TLSを使用する場合は、Apache-SSL オフィシャルサイト(http://www.apache-ssl.org/)からTLSに対応したApache をダウンロードしてインストールしてください。Apacheのインストール後は、起動して正常にサービス動作するか確認してください。
macOSをお使いの場合にはApacheの設定ファイル(/etc/httpd/httpd.conf)はrootが保有しているため、次のいずれかを行ってからWebDAVを設定してください。詳細については、macOSの説明書、またはApache Software Foundationのホームページ(http://www.apache.org/)を参照してください。
Terminalからsudoコマンドまたはsuコマンドを使ってroot権限を取得する。
Finderで一時的にApacheの設定ファイルのパーミッションをWebDAVサーバーを設定するユーザーに変える(WebDAVサーバーの設定後にパーミッションは元に戻してください)。
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