[ESC]シーケンス(2/2)

ESCシーケンスの拡張制御命令は、42種類あります。

二重印字の指定([ESC] G)

1バイトコード文字(ANK文字)および2バイトコード文字(漢字)を二重印字モードで印字します。
JIS
ESC G
16進数
1Bh 47h
本エミュレーションモードでは、強調印字モードと同じに文字パターンのドットを横方向にずらして印字します。ただし、拡張グラフィックスの印字時は、二重印字は無視されます。また、文字修飾の指定([ESC] q)などにより、文字スタイルを指定された文字やイタリック体は二重印字されません。

二重印字の解除([ESC] H)

二重印字モードを解除します。
JIS
ESC H
16進数
1Bh 48h
以降、文字の強調印字は解除され、標準印字になります。

順方向垂直移動(n/180インチ)([ESC] J)

行バッファーの印字データを印字して、下方に向かって1/180インチ単位の垂直移動を行います。
JIS
ESC J <垂直位置(1バイト)>
16進数
1Bh 4Ah <垂直位置(1バイト)>
<垂直位置(1バイト)>
垂直移動量を指定します。
範囲:
0~255(00h~FFh)
単位:
1/180インチ
水平方向の印字位置は変わりません。
本制御命令は、1回の垂直移動のみ行い、改行ピッチの設定には影響しません。

文字ピッチの指定(12cpi)([ESC] M)

1バイトコード文字の文字ピッチを12cpiに設定します。
JIS
ESC M
16進数
1Bh 4Dh
12cpiの文字フォントで印字します。本制御命令は、プロポーショナルピッチが指定されている間は無効になります。また、本制御命令による文字ピッチの設定は、10cpi、15cpiが指定されるまで有効です。
印字する文字間隔は、ANK文字ピッチの調整([ESC] [SP])で変えることができます。

ミシン目スキップ行数の設定([ESC] N)

ミシン目スキップ行数を設定します。
JIS
ESC N <行数(1バイト)>
16進数
1Bh 4Eh <行数(1バイト)>
<行数(1バイト)>
最終行からの行数でミシン目スキップ量を指定します。
単位:
現在の改行ピッチでの行数
範囲:
1~127(01h~7Fh)
初期値:
0
ページのボトム位置(印字の最終行)は、ページ長から(改行ピッチ×行数)インチ上の位置になります。ただし、現在のページの行数を超える設定は無視されます。
本制御命令は、連続用紙のミシン目部分に印字がかかるのを防ぐため、ページ下端から何行分かを印字しない行として設定する機能です。
本制御命令によってボトム位置を設定したあと、改行ピッチを変更してもスキップ量は変化しません。

ミシン目スキップ行数の解除([ESC] O)

連続用紙で設定したミシン目スキップを解除します。
JIS
ESC O
16進数
1Bh 4Fh

文字ピッチの指定(10cpi)([ESC] P)

1バイトコード文字の文字ピッチを10cpiに設定します。
JIS
ESC P
16進数
1Bh 50h
10cpiの文字フォントで印字します。本制御命令は、プロポーショナルピッチが指定されている間は無効になります。また、本制御命令による文字ピッチの設定は、12cpi、15cpiが指定されるまで有効です。
印字する文字間隔は、ANK文字ピッチの調整([ESC] [SP])で変えることができます。

右マージンの設定([ESC] Q)

右マージン位置を設定します。
JIS
ESC Q <右マージン位置(1バイト)>
16進数
1Bh 51h <右マージン位置(1バイト)>
<右マージン位置(1バイト)>
左端(第1文字目の印字位置)からの文字数で右マージン位置を指定します。
単位:
現在の文字ピッチでの文字数
範囲:
1~255(01h~FFh)
右マージンは、左端から(文字ピッチ×文字数)インチの位置になります。このとき、文字ピッチの調整量も含まれます。
プロポーショナルピッチが指定されている場合、文字ピッチは10cpiとして設定されます。
本制御命令を行の途中で受信した場合、行バッファーの印字データを消去して印字位置を左マージン位置に移動します。
右マージンの設定後に文字ピッチを変更しても、右マージン位置は変化しません。
右マージン位置が左マージン位置よりも右側にない場合、本制御命令は無視されます。また、右マージンと左マージンの間隔が1文字幅に満たない場合でも、1文字は印字されます。

国別文字の選択([ESC] R)

1バイトコード表の一部に13カ国語に対応した文字セットがあります。この中から使用する文字セットを選択します。
JIS
ESC R[国名(1バイト)]
16進数
1Bh 52h[国名(1バイト)]
[国名(1バイト)]
文字セットの国名を選択します。
設定内容
設定内容
0(00h)
USA
8(08h)
日本
1(01h)
フランス
9(09h)
ノルウェー
2(02h)
ドイツ
10(0Ah)
デンマークⅡ
3(03h)
UK
11(0Bh)
スペインⅡ
4(04h)
デンマーク
12(0Ch)
ラテンアメリカ
5(05h)
スウェーデン
13(0Dh)
韓国
6(06h)
イタリア
64(40h)
リーガル
7(07h)
スペイン
初期値:
8(08h)日本
なお、本エミュレーションモードでは、「13韓国」、「64リーガル」の指定は無視されます。
本制御命令は、1バイトコード登録文字セットが指定されている場合(ESC % 1)は無効になります。

スーパー/サブスクリプト文字の指定([ESC] S)

1バイトコード文字に対して、スーパースクリプト(上付き)文字またはサブスクリプト(下付き)文字を設定します。
JIS
ESC S[スクリプト文字種(1バイト)]
16進数
1Bh 53h[スクリプト文字種(1バイト)]
[スクリプト文字種(1バイト)]
スーパースクリプト文字またはサブスクリプト文字を指定します。
設定内容
0(00h)
スーパースクリプト文字の指定
1(01h)
サブスクリプト文字の指定
スーパースクリプト文字は、1バイトコード文字の縦幅を2/3に縮小し、標準の文字の上端にそろえて印字されます。サブスクリプト文字は、1バイトコード文字の縦幅を2/3に縮小し、標準の文字の下端にそろえて印字されます。
1バイトコード表の拡張グラフィックスのB0h~DFhおよびF0h~FFhはスクリプト文字にはなりません。また、カタカナコードの80h~FFhは、未定義コードとして扱われます。

スーパー/サブスクリプト文字の解除([ESC] T)

1バイトコード文字に設定したスーパースクリプト(上付き)文字またはサブスクリプト(下付き)文字を解除します。
JIS
ESC T
16進数
1Bh 54

文字の横幅拡大指定/解除([ESC] W)

1バイトコード文字(ANK文字)および2バイトコード文字(漢字)の横幅拡大印字の指定/解除を行います。
JIS
ESC W[指定/解除(1バイト)]
16進数
1Bh 57h[指定/解除(1バイト)]
[指定/解除(1バイト)]
横幅拡大印字について選択します。
設定内容
0(00h)
横幅拡大印字の解除
1(01h)
横幅拡大印字の指定
本制御命令では、文字の横幅拡大指定(自動解除付き)([SO])による横幅拡大の指定を解除できます。また、本制御命令で横幅拡大印字を指定した場合、文字の横幅拡大(自動解除付き)解除([DC4])では解除できません。

相対位置移動(ドット数)([ESC] ¥)

印字位置を現在の位置から右方向または左方向に移動します。
JIS
ESC ¥ <移動量(2バイト)>
16進数
1Bh 5Ch <移動量(2バイト)>
<移動量(2バイト)>
現在印字位置からの移動量をドット数で指定します。
指定は2バイトで行い、ドット数を256で割った値を第2バイト、その余り値を第1バイトで表します。
単位:
高品位文字(ANK)/漢字のとき
ドラフト文字(ANK)
1/180インチ
1/120インチ
範囲:
-2448≦ドット数≦2447(10進数)
ドット数=第1バイト+(第2バイト×256)
左方向への移動は、次の表のようにドット数をマイナス値(2の補数)で指定します。
ドット数
2447
2
1
0
-1
-2
-3
-2448
第1バイト
8Fh
02h
01h
00h
FFh
FEh
FDh
70h
第2バイト
09h
00h
00h
00h
FFh
FFh
FFh
F6h
左右マージンを越える位置を指定した場合、本制御命令は無効になります。
順方向の印字時に、ANK文字のアンダーラインの指定/解除([ESC] -)でアンダーラインの印字が指定された場合のみ、アンダーラインが引かれます。

文字ピッチの指定(15cpi)([ESC] g)

1バイトコード文字の文字ピッチを15cpiに設定します。
JIS
ESC g
16進数
1Bh 67h
15cpiの文字フォントで印字します。本制御命令は、プロポーショナルピッチが指定されている間は無効になります。また、本制御命令による文字ピッチの設定は、10cpi、12cpiが指定されるまで有効です。
印字する文字間隔は、ANK文字ピッチの調整([ESC] [SP])で変えることができます。
15cpiを設定した場合、横幅縮小印字の指定は無効になります。また、1バイトコード表のカタカナコード80h~FFhは未定義コードとして扱われます。

ANK文字書体の選択([ESC] k)

1バイトコード文字の書体を選択します。
JIS
ESC k[書体(1バイト)]
16進数
1Bh 6Bh[書体(1バイト)]
[書体(1バイト)]
書体を選択します。
設定内容
設定内容
0(00h)
ローマン
4(04h)
スクリプト
1(01h)
サンセリフ
5(05h)
OCR-B
2(02h)
クーリエ
6(06h)
OCR-A
3(03h)
プレステージ
初期値:
0(00h)ローマン
選択された書体をキヤノン複合機/プリンターが持っていない場合、本制御命令は無効になります。本エミュレーションモードでは、ローマン書体(00h)のみが使用できます。

左マージンの設定([ESC] l)

左マージン位置を設定します。
JIS
ESC l <左マージン位置(1バイト)>
16進数
1Bh 6Ch <左マージン位置(1バイト)>
<左マージン位置(1バイト)>
初期状態の第1文字目の印字位置(左端)からの文字数で左マージン位置を指定します。
単位:
現在の文字ピッチでの文字数
範囲:
1~255(01h~FFh)ただし、左端より8インチ以内
左マージンは、左端から(文字ピッチ×文字数)インチの位置になります。このとき、文字ピッチの調整量も含まれます。
プロポーショナルピッチが指定されている場合、文字ピッチは10cpiとして設定されます。
本制御命令を行の途中で受信した場合、行バッファーの印字データを消去して印字位置を左マージン位置に移動します。
左マージンの設定後に文字ピッチを変更しても、左マージン位置は変化しません。また、右マージンと同じ位置または右マージン位置を超える値は設定できません。ただし、左右マージンの間隔が1文字未満の場合でも、1文字は印字します。

プロポーショナルピッチの指定/解除([ESC] p)

1バイトコード文字に対してプロポーショナルピッチを設定します。
JIS
ESC p[指定/解除(1バイト)]
16進数
1Bh 70h[指定/解除(1バイト)]
[指定/解除(1バイト)]
プロポーショナルピッチを選択します。
設定内容
0(00h)
プロポーショナルピッチの解除
1(01h)
プロポーショナルピッチの指定
プロポーショナルモードでは、文字が文字パターンの幅に応じた間隔で印字されます。ドラフト文字選択時にプロポーショナルピッチを指定すると高品位文字のプロポーショナルピッチになります。また、1バイトコード登録文字セット指定時にプロポーショナルピッチを指定したときは、文字の登録時の文字ピッチで印字します。
1バイトコード表のカタカナコード80h~FFhは、未定義コードとして扱われます。

文字修飾の指定([ESC] q)

1バイトコード文字(ANK文字)および2バイトコード文字(漢字)に対して文字修飾を設定します。
JIS
ESC q[修飾モード(1バイト)]
16進数
1Bh 71h[修飾モード(1バイト)]
[修飾モード(1バイト)]
文字の修飾内容を選択します。
設定内容
0(00h)
文字修飾の解除
1(01h)
袋文字
2(02h)
影付き文字
3(03h)
影付き袋文字
1バイトコード表の拡張グラフィックスB0h~DFh、F4h、F5hは通常文字として印字されます。

1バイトコード表の選択([ESC] t)

1バイトコードの文字コード表を選択します。
JIS
ESC t[コード表(1バイト)]
16進数
1Bh 74h[コード表(1バイト)]
[コード表(1バイト)]
文字コード表を選択します。
設定内容
0(00h)
拡張グラフィックスコード表
3(03h)
カタカナコード表
初期状態ではカタカナコード表が選択されています。
拡張グラフィックスコード表のB0h~DFh、F4h、F5hに対しては、次の制御命令が無効になります。

ANK文字の縦拡大指定/解除([ESC] w)

1バイトコード文字(ANK文字)の縦2倍の拡大印字の指定/解除を行います。
JIS
ESC w[指定/解除(1バイト)]
16進数
1Bh 77h[指定/解除(1バイト)]
[指定/解除(1バイト)]
縦拡大印字について選択します。
設定内容
0(00h)
縦拡大印字の解除
1(01h)
縦拡大印字の指定
縦拡大文字は、文字のベースライン位置を基準に上方へ拡大します。
本制御命令による指定は、改行ピッチには影響しません。

ANK文字の印字品位の選択([ESC] x)

1バイトコード文字(ANK文字)の印字品位を選択します。
JIS
ESC x[指定/解除(1バイト)]
16進数
1Bh 78h[指定/解除(1バイト)]
[指定/解除(1バイト)]
印字品位を選択します。
設定内容
0(00h)
ドラフト文字
1(01h)
高品位文字
ドラフト文字選択時は、書体選択(ローマンなど)は無効になります。
本エミュレーションモードでは、ドラフト文字を選択しても高品位文字で印字されます。ただし、ドラフト文字選択時の横方向の解像度は、120 dpiになります。
842H-12W