HP-GL命令(1/2)

HP7550Bで使用できるHP-GL命令について説明します。
本エミュレーションモードで意味の異なる命令については、それぞれの命令の中でその内容を説明します。

絶対座標円弧プロット命令(AA)

指定する絶対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描きます。
JIS
AA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
41h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<X座標(sd)><Y座標(sd)>
円弧の中心点を絶対座標で指定します。
<中心角(sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
円弧は、直前のペン状態(UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。ペン移動命令(絶対座標)(PA)

印刷開始命令(AF)

ページバッファー内の作図データを印刷します。
JIS
AF;
16進数
41h 46h 3Bh
HP7550Bでは、1ページ用紙送りを行いますが、本エミュレーションモードでは印刷開始命令となります。

印刷開始命令(AH)

ページバッファー内の作図データを印刷します。
JIS
AH;
16進数
41h 48h 3Bh
HP7550Bでは、半ページ用紙送りを行いますが、本エミュレーションモードでは印刷開始命令となります。

相対座標円弧プロット命令(AR)

現在のペン位置からの相対的な位置を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描きます。
JIS
AR<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
41h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<X増分(sd)><Y増分(sd)>
円弧の中心点を現在のペン位置から相対座標で指定します。
<中心角(sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。
この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
円弧は、直前のペン状態(UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。ペン移動命令(絶対座標)(PA)

リプロットバッファーストア命令(BF)

以降のHP-GL命令を「リプロット命令RP」を受け取るまでリプロットバッファーへ登録します。
JIS
BF;
16進数
42h 46h 3Bh
本命令は、メニューのプロッターIDで[7550A]が設定されている場合のみ有効です。
本命令を除く他の命令はすべて登録されますが、出力命令は、通常どおりに実行され、登録は行われません。なお、メニューの拡張グループの「リプロットモード」を[しない]に設定している場合は、本命令は無視されます。

ラベル文字列ストア命令(BL)

ラベル用の文字列をラベルバッファーに登録します。
JIS
BL《文字列(ASC)》;
16進数
42h 4Ch《文字列(ASC)》3Bh
《文字列(ASC)》
すべての文字の中から、150文字(ターミネータを含む)以内で指定します。パラメータを省略するとラベルバッファーをクリアします。
ラベルバッファーのサイズは150バイトで、1バイトコード文字(ANK文字)150文字、2バイトコード文字(漢字)75文字を登録できます(ただし、制御コードやターミネータを含む)。文字セット番号101が選択されているときは、漢字となるため、最大75文字です。
登録したラベル文字列は、バッファーの内容を書き換えるまでラベルバッファーリプロット命令(PB)で何回でもプロットできます。ラベルバッファーの内容は、次の命令などによりクリアされます。
文字プロット命令(LB)(パラメータなし)
ジョブの終了

補助文字セット指定命令(CA)

文字セットの中の1つを補助文字セットに指定します。
JIS
CA《文字セット番号(i)》;
16進数
43h 41h《文字セット番号(i)》3Bh
《文字セット番号(i)》
補助文字セットに指定する文字セットの番号を指定します。
指定範囲:
-1
ダウンロード文字
0~9
固定文字
10~19
可変文字(固定文字使用)
30~39
固定文字
40~49
可変文字(固定文字使用)
100
制御文字
101
漢字
省略値:
0
標準文字セット以外の文字セットの文字をプロットするときに使用できます。
選択した補助文字セットの文字を使用する場合は、補助文字セット選択命令(SA)または文字プロット命令(LB)中に制御コード補助文字セットを選択(SO)を送ります。
文字セット10~19、40~49はHP7550Bでは可変文字ですが、本エミュレーションモードでは固定文字を使用し、可変文字と同じような印字を行います。文字セット101を指定した場合、JIS第1水準、第2水準の漢字を指定できます(ストロークフォントは使用しません)。コード表
なお、漢字グラフィックセットは、メニューの漢字グラフィックセットで[JIS90]または[JIS78]を切り替えられます。

円プロット命令(CI)

現在のペン位置を中心として、指定の半径の円を描きます。
JIS
CI<半径(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
43h 49h<半径(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<半径(sd)>
円の半径を指定します。円プロットの開始点は、半径が正の値のときは現在のペン位置から見て0度、負の値のときは180度の位置になります。
半径は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットで指定します。
《分解能(sd)》
円の滑らかさを指定します。円は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
分解能の指定によって、正方形、正五角形、正六角形などを描画することも可能です。
本命令で円を描いた場合、現在のペン位置およびペン状態(UP/DOWN)は本命令実行前の状態に戻ります。ペン移動命令(絶対座標)(PA)

文字セット選択モード指定命令(CM)

文字プロット時に使用する文字セットの指定と選択を4種類の文字セット選択モードから選びます。
JIS
CM《スイッチモード(i)《,フォールトバックモード(i)》》;
16進数
43h 4Dh《スイッチモード(i)《2Ch フォールトバックモード(i)》》3Bh
《スイッチモード(i)》
文字セットモードを指定します。
設定内容
0
HP7ビットモード
1
HP8ビットモード
2
ISO7ビットモード
3
ISO8ビットモード
省略値:
0
《フォールトバックモード(i)》
印刷時の未定義文字の処理を指定します。
設定内容
0
未定義文字を無視します
1
未定義文字の代わりにを印刷します
省略値:
0
HP7ビットモードはコードテーブルの左半分(GL)に文字スロットG0、G1を呼び出して使用できます。HP8ビットモードは、2種類の文字セットをコードテーブル(GL,GR)に対応させることができます。スロットはG0、G1のみ使用できます。
ISO7ビットモードは、コードテーブルの左半分(GL)に文字スロット指定命令(DS)文字スロット呼び出し命令(IV)によって文字スロットG0、G1、G2、G3を呼び出して使用できます。ISO8ビットモードは、文字セットの呼び出しを行わなくても同時に2種類の文字セットを使用できます。コードテーブル(GL、GR)にDS命令やIV命令によって文字スロットG0、G1、G2、G3を呼び出して使用できます。
GLに文字セット0、10、20(ANSI ASCII)を指定した場合はGRに文字セット7、17、27(拡張ROMAN 8)がセット(リンク)され、GLに文字セット6、16、26(JIS ASCII)を指定した場合はGRに文字セット8、18、28(カタカナ)がセット(リンク)されます。
GLに文字セットを指定した場合は、GRに以下のように文字セットがセット(リンク)されます。
GLの文字セット
GRにセットされる文字セット
0(ANSI ASCII)
7(拡張ROMAN 8)
10(ANSI ASCII)
17(拡張ROMAN 8)
20(ANSI ASCII)
27(拡張ROMAN 8)
6(JIS ASCII)
8(カタカナ)
16(JIS ASCII)
18(カタカナ)
26(JIS ASCII)
28(カタカナ)
GLにその他の文字セットを指定した場合は、GRの文字セットには何もセットされません。

ペン移動命令(文字数単位)(CP)

指定した文字数および行数だけペン位置を移動します。
JIS
CP《横方向文字数(sd)》《,縦方向行数(sd)》;
16進数
43h 50h《横方向文字数(sd)》《2Ch縦方向行数(sd)》3Bh
《横方向文字数(sd)》《縦方向行数(sd)》
ペンを移動する文字数(横方向)および行数(縦方向)を指定します。
負の値を指定すると、文字プロット方向に対して1文字後退(横方向)または逆改行(縦方向)を行います。
パラメータを省略し、CP命令だけを送ると、CR および LF (復帰改行)動作を行います。
本命令によるペン位置の移動は、文字プロットの方向にしたがいます。
本命令は、ペン状態(UP/DOWN)は変化しません。

標準文字セット指定命令(CS)

文字セットの中の1つを標準文字セットに指定します。
JIS
CS《文字セット番号(i)》;
16進数
43h 53h《文字セット番号(i)》3Bh
《文字セット番号(i)》
標準文字セットに指定する文字セットの番号を指定します。
指定範囲:
-1
ダウンロード文字
0~9
固定文字
10~19
可変文字(固定文字使用)
30~39
固定文字
40~49
可変文字(固定文字使用)
100
制御文字
101
漢字
省略値:
0
選択した標準文字セットの文字を使用する場合は、標準文字セット選択命令(SS)または文字プロット命令(LB)中に制御コード標準文字セットを選択(SI)を送ります。
文字セット10~19、40~49はHP7550Bでは可変文字ですが、本エミュレーションモードでは固定文字を使用し、可変文字と同じような印字を行います。文字セット101を指定した場合、JIS第1水準、第2水準の漢字を指定できます(ストロークフォントは使用しません)。コード表
なお、漢字グラフィックセットは、メニューの漢字グラフィックセットで[JIS90]または[JIS78]を切り替えられます。

分解能モード指定命令(CT)

円、円弧、扇形などをプロットするときに設定する分解能のパラメータのモードを指定します。
JIS
CT《モード(i)》;
16進数
43h 54h《モード(i)》3Bh
《モード(i)》
分解能モードを指定します。
設定内容
0
角度モード
1
偏倚距離モード
省略値:
0
角度モードでは、プロット開始の角度(円の場合は0または180度、円弧は指定座標によって決まる角度、扇形は指定の開始角度)から終了角度までの中心角を指定の分解能(角度)で分割します。有効な角度の指定範囲は、0度から180度になります。偏倚距離モードでは、円弧上の2点を通る直線と円弧の間の最長垂線距離を指定し、弦の分割数が決定します。

標準値状態設定命令(DF)

設定パラメータを初期状態に戻します。初期状態
JIS
DF;
16進数
44h 46h 3Bh
次の設定は、本命令では初期化されません。
スケーリングポイントP1、P2の位置
現在のペン位置とペンの種類
座標系の回転(90度)

絶対値による文字方向設定命令(DI)

文字をプロットする方向(角度)を指定します。
JIS
DI《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
16進数
44h 49h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh
《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan-1(rise/run))を指定します。
run値およびrise値の値の符号とプロット方向は次のようになります。
run値
rise値
文字プロットの方向
0
0
正の値
0
水平方向(0度)
正の値
正の値
0度<文字方向<90度
0
正の値
垂直方向(90度)
負の値
正の値
90度<文字方向<180度
負の値
0
水平方向(180度)
負の値
負の値
180度<文字方向<270度
0
負の値
垂直方向(270度)
正の値
負の値
270度<文字方向<360度
パラメータを省略すると、水平方向(DI 1,0;)に文字がプロットされます。
本命令による文字プロットの方向は、スケーリングポイントP1、P2による絶対方向には影響されません。
本命令では、現在のペン位置がキャリッジリターン位置となります。

ダウンロードキャラクタ定義命令(DL)

ユーザー独自の文字を作成し、ダウンロードキャラクタバッファーに登録して繰り返し使用することができます。ユーザー定義文字プロット命令(UC)
JIS
DL《文字番号(i)《,コントロール値(i)》,X座標値(i),Y座標値(i),……《,コントロール値(i)》,…… 》;
16進数
44h 4Ch《文字番号(i)《2Ch コントロール値(i)》2Ch X座標値(i)2Ch Y座標値
(i)2Ch …… 2Ch《コントロール値(i)》2Ch …… 》3Bh
《文字番号(i)》
ダウンロード文字の番号を指定します。
範囲:
33~126
《コントロール値(i)》
次に指定するX,Y座標値に移動するときにペンを上げます。
指定値:
-128
《X座標値(i)》《Y座標値(i)》
文字グリッド上のX,Y座標値を指定します。
範囲:
-127~127
パラメータを省略すると、ダウンロードキャラクタバッファーをすべてクリアします。また、文字番号のみ指定した場合は、その文字のみバッファーからクリアします。初期状態
ペンコントロール値とX,Y座標値は、合計255個まで指定できます。
本命令で定義される文字は、文字セット番号が「-1」となります。
ダウンロード文字は、エンハンスモードのときは固定字体のみのグリッドとなります。エンハンスモードは、メニューのエンハンスモードで設定できます。また、ダウンロード文字の定義のしかたは、NCPセルに対する絶対グリッドによる指定になります。

相対値による文字方向設定命令(DR)

文字スケーリングポイントP1、P2の設定にしたがって文字をプロットする方向(角度)を指定します。
JIS
DR《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
16進数
44h 52h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh
《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan-1(rise/run))を指定します。
run値はスケーリングポイント(P2x-P1x)の現在のパーセント値で指定し、rise値は(P2y-P1y)の現在のパーセント値で指定します。
パラメータを省略すると、水平方向(DR 1,0;)に文字がプロットされます。
本命令による文字プロットの方向は、スケーリングポイントP1、P2によって変化します。

文字スロット指定命令(DS)

文字スロットに文字セットを指定します。
JIS
DS《スロット番号(sd)《,文字セット番号(sd)》》;
16進数
44h 53h《スロット番号(sd)《2Ch 文字セット番号(sd)》》3Bh
《スロット番号(sd)》
コードテーブルに呼び出す文字スロットを選択します。
設定内容
0
スロットG0
1
スロットG1
2
スロットG2
3
スロットG3
「文字セットモード指定命令CM」によってHP7ビットモードまたはHP8ビットモードが設定されているときは、スロットG2、G3は指定できません。
《文字セット番号(sd)》
指定した文字スロットに設定する文字セット番号を選択します。
指定範囲:
-1
ダウンロード文字
0~9
固定文字
10~19
可変文字(固定文字使用)
30~39
固定文字
40~49
可変文字(固定文字使用)
100
制御文字
101
漢字
パラメータの指定を省略すると、スロットG0とG1に文字セット0が設定され、スロットG2とG3に文字セット7が設定されます。

文字列ターミネータ指定命令(DT)

LB命令、BL命令、WD命令でプロットする文字列の最後に送る文字プロットモードを解除するターミネータの文字キャラクタを指定します。
JIS
DT<文字(ASC)>;
16進数
44h 54h<文字(ASC)>3Bh
<文字(ASC)>
ターミネータとする文字キャラクタを指定します。
ただし、ハンドシェークモードの設定によって、本エミュレーションモードに文字キャラクタが転送されない場合や、パラメータを省略した場合は、次に指定したコードをターミネータとします。
制御コードを指定した場合は、その文字は印字されませんが機能は実行されます。また、ASCII文字を指定した場合は、文字列の最後にその文字が印字されます。

絶対座標長方形プロット命令(EA)

現在のペン位置と指定する絶対座標を対角線上の2点とする四角形を描きます。
JIS
EA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;
16進数
45h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>3Bh
<X座標(sd)><Y座標(sd)>
現在のペン位置に対して、長方形の対角線上の角となる座標を指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

多角形外周プロット命令(EP)

ポリゴンバッファーに定義されている多角形の外周をプロットします。
JIS
EP;
16進数
45h 50h 3Bh
次の命令で定義された多角形に対して外周プロットが行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻りま す。

相対座標長方形プロット命令(ER)

現在のペン位置からの相対的な位置を指定し、その位置と現在のペン位置を対角線上の2点とする四角形を描きます。
JIS
ER<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;
16進数
45h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>3Bh
<X増分(sd)><Y増分(sd)>
長方形の対角線上の角となる位置を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

NCPセル間隔設定命令(ES)

文字間隔や行間隔を設定します。
JIS
ES《文字間隔(sd)《,行間隔(sd)》》;
16進数
45h 53h《文字間隔(sd)《2Ch 行間隔(sd)》》3Bh
《文字間隔(sd)》
文字間隔を設定します。
単位:
NCPセルの幅
省略値:
0
正の値を指定すると、文字間隔が広がり、負の値を指定すると狭くなります。
《行間隔(sd)》
行間隔を設定します。
単位:
NCPセルの高さ
省略値:
0
正の値を指定すると、行間が離れ、負の値を指定すると狭くなります。
NCP(Normal Character Plot)セルは、1文字分の長方形状の領域です。
HP7550Bでは、スタンダードモードとエンハンスモードによって、このセルを構成するグリッド(格子)の細かさが違ってきます。エンハンスモードの切り替えは、メニューのエンハンスモードで設定できます。

扇形プロット命令(EW)

現在のペン位置を中心とし、指定された半径と角度の扇形を描きます。
JIS
EW<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
45h 57h<半径(sd)>2Ch<始点角(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<半径(sd)>
扇形の半径を指定します。
正の値を指定すると中心点から右方向の水平位置が基準点(0度)となり、負の値を指定すると左方向の水平位置が基準点(180度)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
<始点角(sd)>
扇形の始点となる角度を指定します。正の値を指定すると半径の符号で決まる基準点から反時計方向、負の値を指定すると時計方向になります。
<中心角(sd)>
扇形の中心角を指定します。正の値を指定すると円周上の始点角の位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
扇形の滑らかさを指定します。扇形は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

多角形塗りつぶし命令(FP)

ポリゴンバッファーに定義されている多角形の内部を塗りつぶします。
JIS
FP;
16進数
46h 50h 3Bh
次の命令で定義された多角形に対して塗りつぶしが行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

塗りつぶし選択命令(FT)

指定された図形を塗りつぶすときの塗りつぶし方法を選択します。
JIS
FT《種類(i)《,間隔(sd)《,角度(sd)》》》;
16進数
46h 54h《種類(i)《2Ch間隔(sd)《2Ch角度(sd)》》》3Bh
《種類(i)》
領域の塗りつぶし方法を選択します。
設定内容
1
双方向塗りつぶし(間隔はPT命令に依存)
2
単方向塗りつぶし(間隔はPT命令に依存)
3
ハッチング
4
クロスハッチング
5
双方向ユーザー指定タイプ
(塗りつぶしパターン命令UFで指定)
6
単方向ユーザー指定タイプ
(塗りつぶしパターン命令UFで指定)
省略値:
1
《間隔(sd)》
ハッチングおよびクロスハッチングの平行線の間隔を指定します。
間隔を指定する座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
省略値:
スケーリングポイントP1、P2の対角の距離の1%
ただし、間隔0のときはPT命令によるペンの太さになります。
《角度(i)》
塗りつぶしを行う線の角度を指定します。
指定範囲:
水平線から反時計方向の角度
省略値:
0度
0度では水平線、90度では垂直線となります。
双方向/単方向塗りつぶしでは無効になり、直前のFT 命令で設定されている角度が使用されます。
「種類」で双方向塗りつぶし「1」を選択した場合、線の種類選択命令(LT)で直線以外の線種が設定されているときは単方向塗りつぶし「2」になります。
本エミュレーションモードの双方向塗りつぶしのシェーディングパターンは、HP7550Bと異なり、つねに右方向から縦線を描画します。

バッファーサイズ変更命令(GM)

ポリゴンバッファー、ダウンロードキャラクタバッファー、リプロットバッファー、ベクタバッファーのサイズを変更します。
JIS
GM《ポリゴンバッファーサイズ(i)》《,ダウンロードキャラクタバッファーサイズ(i)》
《,リプロットバッファーサイズ(i)》《,ベクタバッファーサイズ(i)》;
16進数
47h 4Dh《ポリゴンバッファーサイズ(i)》《2Chダウンロードキャラクタバッファーサイズ(i)》
《2Chリプロットバッファーサイズ(i)》《2Chベクタバッファーサイズ(i)》3Bh
本命令によるバッファーサイズの変更は行いません。
各バッファーサイズは、本エミュレーション起動時に獲得したメモリーサイズによりバッファーサイズを自動的に割り当てます。メモリー容量は少なくともポリゴンバッファーは49000バイト、ダウンロードキャラクタバッファーは40878バイト、リプロットバッファーは54206バイト確保します。
多角形定義モード設定命令PM、ダウンロードキャラクタ定義命令DL、リプロットバッファーストア命令BF、リプロット命令RPを使用する場合、これらの命令の前に本命令をキヤノン複合機/プリンターに送る必要があります。本命令は、標準状態設定命令DF、初期値設定命令INよりも前に送ります。

初期値設定命令(IN)

本エミュレーションモードの設定を、電源を入れたときの状態に戻します。
JIS
IN;
16進数
49h 4Eh 3Bh
本命令を実行すると、設定されているパラメータが初期化されて初期値に戻るとともに、次の状態に設定されます。初期状態タイプ1
スケーリングポイントP1、P2の位置は初期状態の位置に戻ります。
ペンを上げます。
すべてのHP-GLエラーがクリアされます。
座標の回転状態は0°になります。
なお、本命令は、メニューの「IN」排紙が[する]に設定されている場合は印刷開始命令(排紙)となります。

初期値設定命令(IN-1)

本エミュレーションモードの設定を、電源を入れたときの状態に戻します。
JIS
IN-1;
16進数
49h 4Eh -1 3Bh
本命令を実行すると、設定されているパラメータが初期化されて初期値に戻るとともに、次の状態に設定されます。初期状態タイプ2
スケーリングポイントP1、P2の位置は初期状態の位置に戻ります。
ペンを上げます。
すべてのHP-GLエラーがクリアされます。
座標の回転状態は0°になります。
なお、本命令は、メニューの「IN」排紙が[する]に設定されている場合は印刷開始命令(排紙)となります。

P1とP2入力命令(IP)

スケーリングポイントP1、P2を設定します。
JIS
IP《P1のX座標(i),P1のY座標(i)》《,P2のX座標(i),P2のY座標(i)》;
16進数
49h 50h《P1のX座標(i)2Ch P1のY座標(i)》《2Ch P2のX座標(i)2Ch P2のY座標(i)》3Bh
《P1のX座標(i)》《P1のY座標(i)》
スケーリングポイントP1の位置をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
《P2のX座標(i)》《P2のY座標(i)》
スケーリングポイントP2の位置をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
P2の指定を省略し、P1だけを指定した場合、P2はP1と同じ増分で元の位置から移動します。したがって、P1、P2間のX/Y方向の距離は、本命令の実行前と同じになります。
P1およびP2は、作図データの用紙サイズの最大座標範囲に関係なく設定できます。なお、P1およびP2のパラメータを省略すると、P1、P2の位置は現在の用紙サイズの初期状態の位置に戻ります。タイプ2
本命令による設定が有効な場合、ステータスバイトのビット1を設定します。

文字スロット呼び出し命令(IV)

コードテーブルの左半分(GL)または右半分(GR)に文字スロットを呼び出します。
JIS
IV《スロット番号(i)《,方向(i)》》;
16進数
49h 56h《スロット番号(i)《2Ch 方向(i)》》3Bh
《スロット番号(i)》
コードテーブルに呼び出す文字スロットを選択します。
設定内容
0
スロットG0
1
スロットG1
2
スロットG2
3
スロットG3
「文字セットモード指定命令CM」によってHP7ビットモードまたはHP8ビットモードが設定されているときは、スロットG2、G3は指定できません。
《方向(i)》
コードテーブルのどちら側に文字セットを呼び出すかを指定します。
設定内容
0
左側(GL)
1
右側(GR)
パラメータの指定を省略すると、すべての文字セット選択モードでコードテーブルの左側(GL)にスロットG0を呼び出します。
HP8ビットモードでは、コードテーブルの左右が関連付けられているため、左側(GL)に指定の文字セット(ANSI ASCII)が呼び出されれば、右側(GR)に関連付けられた文字セット(拡張ROMAN 8)が自動的に呼び出され、左側(GL)に指定の文字セット(JIS ASCII)が呼び出されれば、右側(GR)に関連付けられた文字セット(カタカナ)が呼び出されます。
コードテーブルの左側(GL)にその他の文字セットを指定した場合は、右側(GR)には何もセットされません。

ウィンドウ設定命令(IW)

作図範囲の中でペンを移動できる特定の領域を指定します。この領域を「ウィンドウ」といいます。
JIS
IW《左下のX座標(i),左下のY座標(i),右上のX座標(i),右上のY座標(i)》;
16進数
49h 57h《左下のX座標(i)2Ch左下のY座標(i)2Ch右上のX座標(i)2Ch右上のY座標(i)》3Bh
《左下のX座標(i),左下のY座標(i)》
ウィンドウの左下端をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
《右上のX座標(i),右上のY座標(i)》
ウィンドウの右上端をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
それぞれの座標は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットで指定します。スケーリングがオンでも、メニューのエンハンスモードの設定が[OFF]のときはプロッターユニットで指定します。タイプ1
パラメータを省略するとウィンドウ範囲は、現在のクリップモードの位置になります。

文字プロット命令(LB)

現在選択されている文字セットを使用して、文字のプロットとラベルバッファーへの登録を行います。
JIS
LB《文字列データ(ASC)》 ETX
16進数
4Ch 42h《文字列データ(ASC)》03h
《文字列データ(ASC)》
プロットする文字を指定します。
文字列には、印刷可能なすべての文字、CR、LF、などの制御コードなどを指定できます。本命令によって漢字を印字することもできます。
パラメータの指定を省略すると、ラベルバッファーがクリアされます。
文字のプロットは、文字列の最後のターミネータ(初期状態で ETX (03h))によってのみ終了します。
文字プロット後のペン位置は、次にプロットする文字の基準位置に移動します。
文字の方向、大きさ、傾きは、次の命令で指定できます。
下図のそれぞれの文字のマスを「NCP(Normal Character Plot)セル」といいます。
文字プロットのターミネータ ETX は、文字列ターミネータ指定命令(DT)によって変更することができます。
842H-03C