N201モードの注意と制限

N201エミュレーションモードでは、エミュレートするPC-PR201/80Aと違いがあります。ご使用にあたり、それぞれの注意と制限事項をよくお読みください。

N201命令

N201データは、Rawデータのため正しい動作環境でなければ正常にプリントしない場合があります。また、パケットロスなどの不正データを受信したときに、何もプリントせずに正常終了する場合があります。
エラーメッセージをディスプレイに表示する場合
ジョブが正常終了したとき
用紙が排出しないとき
N201が解釈できないコマンドがデータ内に存在するとき
用紙を排紙しない場合でも以下のデータのときはエラーメッセージをディスプレイに表示しない
N201が解釈できるデータ、または設定、登録のみを行うデータ
N201データではなく、文字化け、ステータスプリントがプリントされるなどの異常が判明するデータ
Lによる設定のみのデータ

解像度の違いについて

ドット列イメージの印字

イメージデータの印字は、キヤノン複合機/プリンターとPC-PR201/80Aとの解像度の違いによって、データを拡大して印字します。これによって、PC-PR201/80Aの解像度160 dpiの1ドットがキヤノン複合機/プリンターの解像度600 dpiの3ドットや4ドットに拡大されるため、印字結果が若干異なることがあります。
特に、水平方向と垂直方向の縮小率が異なるページフォーマットでは、横長のイメージになります。

垂直方向の移動とイメージデータ

PC-PR201/80Aでは、イメージの展開の縦方向の解像度が160 dpi(1インチあたり160ドット)であるのに対して、改行ピッチは1/120インチ単位になります。このため、ページフォーマットによっては拡大率の関係から1ドット幅のずれが生じることがあります。

文字の印字

文字はフォントデザインの違いにより、印字結果がPC-PR201/80Aとは異なります。

右マージン

本エミュレーションモードでは、印字データが1ドット未満でも右マージン位置を越えた場合、次の行に印字します。

文字セット・フォントパターンについて

漢字サイズ

標準サイズ以外の漢字を指定した場合、TOF行での印字結果は保証されません。また、現在印字位置は、現在の文字ピッチを基準として移動するため、標準サイズより大きい文字を指定すると文字が重なる場合があります。なお、アンダーラインは、移動量に対して引かれるため、文字幅より短くなる場合があります。

1バイトコード登録文字

1バイトコードの登録文字は、PC-PR201/80Aで印字したときよりも文字が小さくなります。したがって、文字セルいっぱいにパターンを登録して印字しても、となりどうしの文字が離れる場合があります。

2バイトコードの未定義領域

2バイトコード(漢字コード)の中で、PC-PR201/80Aでは未定義の領域にキヤノン複合機/プリンター専用の文字パターンが割り当てられている部分があります。このため、この部分のコードを印字させると、PC-PR201/80Aではスペースになりますが、本エミュレーションモードでは特定の文字パターンが印字されます。

そのほかの制限

領域モード

領域モードが無効なページフォーマット(Fmode 1、2、7、8)のときでも領域モードの設定を変更できます。この場合、ページフォーマットがFmode 3、4、6に切り替わったときに設定が有効になります。ただし、どのページフォーマットのときでも、領域モードの設定を変更した時点で印字パラメータのリセット処理が行われます。

用紙位置

用紙位置の設定が無効なページフォーマット(Fmode 3、4、6)のときでも用紙位置(中央/左端)の設定を変更できます。この場合、ページフォーマットがFmode 1、2、7、8に切り替わったときに設定が有効になります。ただし、どのページフォーマットのときでも、用紙位置の設定を変更した時点で印字パラメータのリセット処理が行われます。

用紙の向き

用紙の送り方向は、キヤノン複合機/プリンターが最適と判断した用紙の向きによって決まりますが、2ページ印刷は用紙の送り方向は次のようになります。
2ページ印刷ではA4、B5サイズのデータがA3、B4サイズに印刷されるため、つねに横方向送りでページが作成されます。
ページ登録中は、2ページ印刷に関わらずキヤノン複合機/プリンターにより選択された用紙の向きの設定にしたがって登録ページを作成します。ただし、LIPSの制御命令によるページ登録時は、2ページ印刷が指定されていると用紙の向きの設定に関わらず横方向送りで登録ページが作成されるため、縦方向送りで登録する場合はLIPS側で2ページ印刷の設定を解除する必要があります。

カラー印刷機能を持つ複合機/プリンターでのLIPSの制御命令によるページ登録

カラー印刷機能を持つ複合機/プリンターでLIPSの制御命令によるページ登録を行う場合、共通メニューの「カラーモード」の設定によって次のようになります。
「自動(カラー/白黒)」
メニューのLIPSフォームで「LIPS4」を設定し、カラー/モノクロで登録したフォームをエミュレーションモードのカラーオーバーレイフォームとして使用します。
「白黒」
モノクロで登録したフォームをエミュレーションモードのモノクロオーバーレイフォームとして使用します。

メモリーオーバー

文字の登録、マクロの登録、オーバーレイ印字のユーザーページ、システムページ、複写用紙機能の共通ページ/複写ページの登録を行っているときにメモリーが不足すると、『23ダウンロードメモリフル』と表示されます。
この場合、エラースキップの操作を行うと、次のような動作を行います。
ユーザーページ・共通ページ・複写ページ登録時
メモリーフルになるまでのデータは破棄され、以降の登録終了までのデータを読み飛ばします。
システムページのページ番号指示によるフォームの登録時
メモリーフルになるまでのデータは破棄され、以降の登録終了までのデータを読み飛ばします。
文字の登録・マクロ登録時
登録を終了し、以降の登録終了までのデータを読み飛ばします。
登録中の文字データまたはマクロデータは削除されます。

白紙ページの排紙

本エミュレーションモードでは、ページ内に次の印字データがないと排紙を行いません。
スペース以外の文字および登録文字
イメージデータ
アンダーライン
ただし、次の場合は白紙を排紙します。
用紙位置微調整用紙位置微調整上余白の設定によって、上記を含む印字データが印字範囲を越えた場合
共通プリント環境の「縦補正」・「横補正」の設定によって、上記を含む印字データが印字範囲を越えた場合

PC-PR201シリーズのDIPスイッチの機能について

PC-PR201シリーズのDIPスイッチで設定できる機能の中で、本エミュレーションモードがサポートしていない機能や設定の意味が異なる機能があります。
本エミュレーションモードでは、PC-PR201HのそれぞれのDIPスイッチの機能を次のように取り扱います。
機能名称
PC-PR201シリーズの場合
N201モードの場合
各国文字の切り換え
各国文字をDIPスイッチによって設定できます。
メニューの国別文字で設定できます。
用紙長の切り替え
用紙長の初期値をDIPスイッチによって11インチまたは12インチに設定できます。
初期値は11インチです。
DC1 DC3 コードの処理
オフライン状態で DC1 / DC3 コードを受信します。
オフライン状態で DC1 / DC3 コードを受信しても無視します。
自動復改の切り換え
バッファー・フル時の対処をDIPスイッチによって復帰のみ、または復帰改行に設定できます。
メニューのバッファーフルで設定できます。
印字指令の切り換え
印字指令の制御コードをDIPスイッチによって設定できます。
メニューの印字指令で設定できます。
CR 機能の切り換え
CR コードを受信したときの処理をDIPスイッチによって設定できます。
メニューのCR機能で設定できます。
数字「0」の字体の切り換え
DIPスイッチによってゼロの書体を「0」または「」に設定できます。
メニューのゼロ書体で設定できます。
ドット対応グラフィックドット数の切り換え
DIPスイッチによってネイティブモードまたはコピーモードを選択できます。
メニューのグラフィックで設定できます。
逆方向改行時の用紙なし検出の切り換え
DIPスイッチによって有効/無効の切り換えを選択できます。
キヤノン複合機/プリンターでは、ページを超える逆改行はできません。
印字方式の切り換え
電源オンのときの印字方式をDIPスイッチによってHSパイカまたはHDパイカに設定できます。
HS/HDパイカの区別はありません。キヤノン複合機/プリンターは印字速度が速いためドラフトモードは必要ありません。
7/8ビットデータの切り換え
DIPスイッチによって7ビットコードと8ビットコードの切り換えを選択します。
8ビットコード固定です。
136桁/80桁の切り換え
8インチ×11インチの連続用紙を使用するための機能です。
ページフォーマットFmode 3のワイド領域モードを使用してA4サイズに印字すれば、80文字目に右マージンを設定しているので80文字での自動折り返しが可能です(標準領域モードの右マージンは80文字目ではありません)。
印字方向の切り換え
DIPスイッチによって片方向または両方向に設定できます。
キヤノン複合機/プリンターでは、印字方向という概念がありません。
NHS/SHSパイカの切り換え
電源オンのときの印字方式をDIPスイッチによってNHSパイカまたはSHSパイカに設定できます。
NHS/SHSパイカの区別はありません。
メモリースイッチ初期化の切り換え
電源投入時にメモリースイッチの設定内容を初期化するかどうかを設定できます。
リセット処理の操作があるので不要です。
ドット印字モードの印字方向の切り換え
DIPスイッチによって片方向または両方向に設定できます。
キヤノン複合機/プリンターでは、印字方向という概念がありません。
ドラフトモードの初期設定
ドットを間引くことにより高速印字を行うモードを設定できます。
ドットを間引いても印字速度に影響しないので必要ありません。
*
NHS(Normal High Speed)パイカは11ドット幅の文字で150文字/秒で印字されます。
SHS(Super High Speed)パイカは9ドット幅の文字で200文字/秒で印字されます。
842H-12E