HP-GL命令(2/2)

HP7550Bで使用できるHP-GL命令について説明します。
本エミュレーションモードで意味の異なる命令については、それぞれの命令の中でその内容を説明します。

文字プロット位置指定命令(LO)

プロットする文字の基準位置を指定します。
JIS
LO《基準位置(i)》 ETX
16進数
4Ch 4Fh《基準位置(i)》03h
《基準位置(i)》
プロットする文字の基準となる現在ペン位置を指定します。
設定内容
設定内容
1
文字列の左下
11
文字列の左下+オフセット量
2
文字列の左中央
12
文字列の左中央+オフセット量
3
文字列の左上
13
文字列の左上+オフセット量
4
文字列の中央下
14
文字列の中央下+オフセット量
5
文字列の中心
15
文字列の中心+オフセット量
6
文字列の中央上
16
文字列の中央上+オフセット量
7
文字列の右下
17
文字列の右下+オフセット量
8
文字列の右中央
18
文字列の右中央+オフセット量
9
文字列の右上
19
文字列の右上+オフセット量
パラメータの値11~19の基準位置は、文字サイズ指定命令(絶対値)(SI)または文字サイズ指定命令(相対値)(SR)で設定された文字幅の1/2、文字高の1/2のオフセット量が付加されます。なお。可変文字の場合は、横方向は文字幅の平均値の12、縦方向は文字高の1/2になります。

線の種類選択命令(LT)

プロット命令で使用する線の種類を指定します。
JIS
LT《パターン番号(i)《,パターン長(sd)》》;
16進数
4Ch 54h《パターン番号(i)《2Ch パターン長(sd)》》3Bh
《パターン番号(i)》
点線や破線のパターンを指定します。
省略値:
実線
《パターン長(sd)》
上表のパターン長をスケーリングポイントP1、P2間の対角線上の距離のパーセント値で指定します。
省略値:
4%

印刷開始命令(NR)

ページバッファー内の作図データを印刷します。
JIS
NR;
16進数
4Eh 52h 3Bh
HP7550Bでは、NOT READY状態にする命令ですが、本エミュレーションモードでは印刷開始命令となります。

ペン移動命令(絶対座標)(PA)

指定された絶対座標にペンを移動します。ペンを下げていれば線が描かれ、ペンを上げていれば移動のみとなります。
JIS
PA《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),……,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
16進数
50h 41h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》《2Ch X2座標(i/sd)2Ch Y2座標(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh
《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
移動する座標点を指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
パラメータを省略した場合は、本命令に続くパラメータを持つペン下げ命令(PD)およびペン上げ命令(PU)に対して絶対座標プロットモードを設定します。
本命令は、ペン下げ命令(PD)およびペン上げ命令(PU)と組み合わせて次のように使用することができます。なお、ウィンドウ内でのみプロットは可能です。
PA(,)PD(,)X1,Y1(,)PU(,)X2,Y2(,); ( )内のカンマは省略可能

ラベルバッファーリプロット命令(PB)

ラベルバッファーの内容をリプロットします。
JIS
PB;
16進数
50h 42h 3Bh
本命令が実行されたときに選択されていた文字セットを使用し、次の命令の設定に従ってプロットされます。
文字プロット命令(LB)でもラベルバッファーを使用するため、ラベル文字列ストア命令(BL)を実行していなくてもLB命令で使用したラベルバッファーに従って本命令でプロットします。

ペン下げ命令(PD)

現在位置でペンを下げます。座標を指定した場合は、座標点まで作図を行います。
JIS
PD《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),… …,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
16進数
50h 44h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》《2Ch X2座標(i/sd)2Ch Y2座標(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh
《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
ペンを下げ、現在地から線をプロットする座標点を指定します。
座標値は、本命令の前にペン移動命令(絶対座標)(PA)が実行されていれば、絶対座標となり、ペン移動命令(相対座標)(PR)が実行されていれば、相対座標(X、Y方向の増分指定)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
パラメータを省略した場合は、座標の移動は行われずにペンが下がります。
ペン位置がウィンドウの外にある場合や、破線のペン上げ部分の場合、ペンは下がりません。
本命令は、多角形定義モード設定命令(PM)によってポリゴンバッファーに登録するときも有効です。

印刷開始命令(PG)

ページバッファー内の作図データを印刷します。
JIS
PG;
16進数
50h 47h 3Bh
パラメータを指定しても無効になります。
HP7550Bでは、同一用紙に上書きしないように1ページ用紙を送る命令ですが、本エミュレーションモードでは印刷開始命令となります。

多角形定義モード設定命令(PM)

多角形を定義します。
JIS
PM<モード(i)>;
16進数
50h 4Dh<モード(i)>3Bh
<モード(i)>
多角形定義モードを指定します。
設定内容
0
ポリゴンバッファーをクリアし、多角形定義モードを設定します。
1
現在定義されているポリゴンバッファーをクローズします.
2
現在定義されているポリゴンバッファーをクローズし、多角形定義モードを解除します。
次の命令を使用して、多角形の定義を行えます。
上記のほか、初期値設定命令(IN)とプロッターに出力を要求する命令も有効です。
ポリゴンバッファーは、多角形定義モード設定命令(PM)だけでなく、次の命令でも使用されます。
次の命令は無視されます。

ペン移動命令(相対座標)(PR)

現在のペン位置を基準に指定された相対座標にペンを移動します。ペンを下げていれば線が描かれ、ペンが上がっていれば移動のみとなります。
JIS
PR《X1増分(i/sd),Y1増分(i/sd)》《,X2増分(i/sd),Y2増分(i/sd),… …,Xn増分(i/sd),Yn増分(i/sd)》;
16進数
50h 52h《X1増分(i/sd)2Ch Y1増分(i/sd)》《2Ch X2増分(i/sd)2Ch Y2増分(i/sd)2Ch …… 2Ch Xn増分(i/sd)2Ch Yn増分(i/sd)》3Bh
《X増分(i/sd)》《Y増分(i/sd)》
移動先を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
パラメータを省略した場合は、本命令に続くパラメータを持つペン下げ命令(PD)およびペン上げ命令(PU)に対して相対座標プロットモードを設定します。
本命令は、ペン下げ命令(PD)およびペン上げ命令(PU)と組み合わせて次のように使用することができます。なお、ウィンドウ内でのみプロットは可能です。
PR(,)PD(,)X1,Y1(,)PU(,)X2,Y2(,); ( )内のカンマは省略可能

用紙サイズ設定命令(PS)

用紙サイズを指定します。
JIS
PS《用紙サイズ(i)》;
16進数
50h 53h《用紙サイズ(i)》3Bh
《用紙サイズ(i)》
プロッターIDを7475Aに設定した場合の、用紙サイズを指定します。
設定内容
0~3
A3サイズまたはレジャーサイズ
4~127
A4サイズまたはレターサイズ
本エミュレーションモードでは、メニューのプロッターIDで[7475A]を設定した場合のみ、印刷する用紙サイズを設定します。7475A以外が設定されている場合、本命令は無効です。なお、メニューの原稿用紙サイズでISO規格用紙(A4など)が選択されている場合、本命令でA4サイズかA3サイズを設定できます。また、「原稿用紙サイズ」でANSI規格用紙(レターなど)が選択されている場合、本命令でレターサイズかレジャーサイズを設定できます。
PS 命令以前に出力データがあり、かつ、現在の用紙サイズを変更する場合は排紙処理を行ないます。
拡大/縮小を行なわない場合:指定した用紙サイズが物理用紙サイズとなります
自動拡大/縮小を行なう場合:指定した用紙サイズが原稿用紙サイズとなり、その原稿用紙から出力用紙への拡大/縮小を行います
拡大/縮小率指定の場合:指定した用紙サイズをそのときの拡大/縮小率で拡大/縮小し、出力用紙サイズで印刷します

塗りつぶし間隔設定命令(PT)

塗りつぶしを行うときの線の間隔を指定します。
JIS
PT《間隔(sd)》;
16進数
50h 54h《間隔(sd)》3Bh
《間隔(sd)》
塗りつぶしの線の間隔をミリメートルで指定します。
指定範囲:
0.1 mm~5.0 mm
初期値:
0.3 mm
本命令は、領域の塗りつぶし方法が双方向/単方向塗りつぶし、または双方向/単方向ユーザー指定タイプの場合に有効になります。
次の塗りつぶしをともなう命令と共に使用できます。
なお、本命令による塗りつぶし間隔は、現在選択されているペン(1~8)に対して設定され、ペン選択命令(SP)によってペンが変更されるまで有効になります。

ペン上げ命令(PU)

ペンを現在位置で上げます。
JIS
PU《X1座標(i/sd),Y1座標(i/sd)》《,X2座標(i/sd),Y2座標(i/sd),… …,Xn座標(i/sd),Yn座標(i/sd)》;
16進数
50h 55h《X1座標(i/sd)2Ch Y1座標(i/sd)》2Ch<X2座標(i/sd)2Ch Y2座標(i/sd)2Ch … 2Ch Xn座標(i/sd)2Ch Yn座標(i/sd)》3Bh
《X座標(i/sd)》《Y座標(i/sd)》
座標値を指定すると、ペンを上げてその位置まで移動します。
座標値は、本命令の前にペン移動命令(絶対座標)(PA)が実行されていれば、絶対座標となり、ペン移動命令(相対座標)(PR)が実行されていれば、相対座標(X、Y方向の増分指定)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
パラメータを省略した場合は、座標の移動は行われずにペンが上がります。
本命令は、多角形定義モード設定命令(PM)によってポリゴンバッファーに登録するときも有効です。

絶対座標長方形塗りつぶし命令(RA)

現在のペン位置と指定する絶対座標を対角線上の2点とする四角形の領域を塗りつぶします。
JIS
RA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;
16進数
52h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>3Bh
<X座標(sd)><Y座標(sd)>
現在のペン位置に対して、長方形の対角線上の角となる座標を指定します。座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

座標系回転命令(RO)

プロッターユニットおよびユーザーユニットの座標系を90度回転します。
JIS
RO《角度(i)》;
16進数
52h 4Fh《角度(i)》3Bh
《角度(i)》
座標系を回転(90度)するか、回転を解除(0度)するかを指定します。
指定範囲:
0または90
メニューの座標回転で回転角度が設定されている場合は、本命令でさらに90度回転することになります。
なお、座標を90度回転させると、スケーリングポイントP1、P2およびウィンドウは回転前の座標値を保持するため、最大作図範囲を超える領域ができます。座標系を回転した状態で、最大作図範囲内にスケーリングポイントP1、P2およびウィンドウを設定しなおす場合は、P1とP2入力命令(IP)およびウィンドウ設定命令(IW)を実行してください(ともにパラメータを指定しないと最大作図範囲に設定できます)。

リプロット命令(RP)

リプロットバッファーに登録されたプロットデータを使用してリプロットします。リプロットバッファーストア命令(BF)
JIS
RP《枚数(i)》;
16進数
52h 50h《枚数(i)》3Bh
《枚数(i)》
リプロットする枚数を指定します。
指定範囲:
1~99
省略値:
1
この枚数の指定は、共通メニューの「コピー枚数」の設定に関係なく設定し、印刷できます。
メニューのリプロットモードで[しない]を設定している場合は、本命令は無視されます。
本命令以前にプロットデータがあるときは、排紙命令となります。

相対座標長方形塗りつぶし命令(RR)

現在のペン位置からの相対的な位置を指定し、その位置と現在のペン位置を対角線上の2点とする四角形の領域を塗りつぶします。
JIS
RR<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;
16進数
52h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>3Bh
<X増分(i/sd)><Y増分(i/sd)>
長方形の対角線上の角となる位置を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

補助文字セット選択命令(SA)

現在指定されている補助文字セットを使用します。
JIS
SA;
16進数
53h 41h 3Bh
標準文字セットから補助文字セット指定命令(CA)で指定した補助文字セットに切り替え、補助文字セットの文字を印字できるようにします。
補助文字セットの選択は、本命令のほかに制御コード補助文字セットを選択(SO)によっても行えます。

スケーリング設定命令(SC)

スケーリングポイントP1、P2にユーザーユニットの値を割り当ててユーザーユニットの座標系を設定します。
JIS
SC《X最小値(i),X最大値(i),Y最小値(i),Y最大値(i)》;
16進数
53h 43h《X最小値(i)2Ch X最大値(i)2Ch Y最小値(i)2Ch Y最大値(i)》3Bh
《X最小値(i)》《X最大値(i)》《Y最小値(i)》《Y最大値(i)》
X、Yの最小値をスケーリングポイントP1の座標、X、Yの最大値をP2の座標値に割り当てます。それぞれの最小値および最大値によって、ユーザーユニットが決定されます。
パラメータを省略すると、初期状態(スケーリングが行われていない状態)に戻ります。
この場合は、以降のプロット命令はプロッターユニットで実行されます。
本命令で設定された座標系は、スケーリングポイントP1、P2の範囲だけではなく、作図範囲すべてに使用できます。また、スケーリングは、P1、P2の位置や範囲を変更すると、新しいP1、P2に対して再設定されます。P1とP2入力命令(IP)タイプ2
本命令の後、次の命令はユーザーユニットで処理されます。
なお、メニューのエンハンスモードを[ON]に設定している場合は、次の命令もユーザーユニットで処理されます。

ペン選択命令(SG)

ペン番号を選択します。
JIS
SG《ペン番号(i)》;
16進数
53h 47h《ペン番号(i)》3Bh
《ペン番号(i)》
使用するペン番号を指定します。
指定範囲:
0~8
HP7550Bではペングループ番号を選択する命令ですが、本エミュレーションモードでは、メニューのペングループで設定したペン番号の選択を行います。太さグレータイプ
なお、メニューの「SP」排紙で[する]を設定したとき、本命令でペン番号0を指定した場合またはパラメータなしの場合は、印刷開始命令(排紙)となります。

文字サイズ指定命令(絶対値)(SI)

文字の大きさをセンチメートル単位で指定します。
JIS
SI《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;
16進数
53h 49h《文字の幅(sd)2Ch 文字の高さ(sd)》3Bh
《文字の幅(sd)》《文字の高さ(sd)》
文字の幅と高さを指定します。
単位:
cm
省略値:
省略時は、幅0.285 cm、高さ0.375 cmとなります。
文字の高さは、大文字の高さで統一されます。可変文字の文字幅は、全文字の平均になります。
文字の幅に負の値を指定すると、文字の左右を反転できます。また、文字の高さに負の値を指定すると、文字の上下を反転できます。たとえば、文字の高さと幅が3 cmのときの固定ピッチ文字、漢字の文字サイズ、文字間隔、改行幅は次のようになります。

斜体文字命令(SL)

プロットする文字の傾きを指定します。
JIS
SL《tanθ(sd)》;
16進数
53h 4Ch《tanθ(sd)》3Bh
《tanθ(sd)》
垂直線を基準とした角度θの正接(tanθ)を指定します。
省略値:
0(θ=0)
正の値のときは時計方向に傾き、負の値のときは反時計方向に傾きます。
斜体から標準に文字に戻す場合は、SL0;を指定します。

シンボルモード命令(SM)

プロット命令によって指定された座標点に、現在選択されている文字セットの文字(シンボル)を描きます。
JIS
SM《シンボル(ASC)》;
16進数
53h 4Dh《シンボル(ASC)》3Bh
《シンボル(ASC)》
座標点にプロットする文字を指定します。
パラメータを省略すると、シンボルモードが解除されます。また、「;」(3Bh)、 SP (32h)および制御コードを指定するとシンボルモードは解除されます。
本命令は、次の命令とともに使用し、それぞれの線分の端点を基準(中心)として文字をプロットします。
文字の大きさ、方向や傾きは、次によって指定できます。

ペン選択命令(SP)

ペン番号を指定します。
JIS
SP《ペン番号(i)》;
16進数
53h 50h《ペン番号(i)》3Bh
《ペン番号(i)》
ペンの番号を指定します。
指定範囲:
0~8
省略値:
0
本エミュレーションモードでは、メニューのペングループによって、ペン1からペン8に対して線の太さと色、グレータイプ(濃淡による色表現)が設定されています。本命令では、このメニューで設定したペンを選択します。太さグレータイプ
なお、メニューの「SP」排紙で[する]を設定したとき、本命令でペン番号0を指定した場合またはパラメータなしの場合は、印刷開始命令(排紙)となります。

文字サイズ指定命令(相対値)(SR)

プロットする文字の大きさを、スケーリングポイントP1、P2間の距離のパーセント値で指定します。
JIS
SR《文字の幅(sd),文字の高さ(sd)》;
16進数
53h 52h《文字の幅(sd)2Ch 文字の高さ(sd)》3Bh
文字の幅(sd)文字の高さ(sd)
文字の幅と高さをP1・P2間の距離(X座標値、Y座標値)のパーセント値で指定します。
指定範囲:
-128~+127.9999
省略値
(幅):
0.75 (P1・P2が標準状態のとき)
(高さ):
1.5 (P1・P2が標準状態のとき)
パラメータに負の値を指定すると、プロットする文字が反転します。
文字の高さは、大文字の高さで統一されます。可変文字の場合は、文字幅はすべての文字の平均になります。
本命令によって文字の幅や高さを設定した場合、スケーリングポイントP1、P2の位置が変わると、実際にプロットする文字の大きさは設定した比率にしたがって変化します。

標準文字セット選択命令(SS)

現在指定されている標準文字セットを使用します。
JIS
SS;
16進数
53h 53h 3Bh
補助文字セットの使用が指定されている場合、補助文字セットから標準文字セットに切り替え、標準文字セットの文字を印字できるようにします。標準文字セット指定命令(CS)
標準文字セットの選択は、本命令のほかに制御コード標準文字セットを選択(SI)によっても行えます。

座標軸目盛長設定命令(TL)

プロットする座標軸の目盛りの長さを指定します。
JIS
TL《正の方向の目盛長(sd)》《,負の方向の目盛長(sd)》;
16進数
54h 4Ch《正の方向の目盛長(sd)》《2Ch 負の方向の目盛長(sd)》3Bh
《正の方向の目盛長(sd)》《負の方向の目盛長(sd)》
X軸およびY軸にそって描かれる軸目盛りの長さを指定します。
目盛長は、スケーリングポイントP1、P2の垂直方向(X軸の目盛り)または水平方向(Y軸の目盛り)の距離のパーセント値で指定します。
原点より上側(Y)または右側(X)が正方向の目盛長となり、原点より下側(Y)または左側(X)が負方向の目盛長の指定となります。
2つのパラメータを省略すると、初期値と同じP1とP2の距離の0.5%が設定されます。

ユーザー定義文字プロット命令(UC)

ユーザー独自の文字を相対座標値を指定して描きます。
JIS
UC《ペン状態(i),》<X1増分(i),Y1増分(i)>《,ペン状態(i)》《,X2増分(i),Y2増分(i),……,Xn増分(i),Yn増分(i)》;
16進数
55h 43h《ペン状態(i)2Ch》<X1増分(i)2Ch Y1増分(i)>《2Ch ペン状態(i)》《2Ch X2増分(i)2Ch Y2増分(i)2Ch …… 2Ch Xn増分(i)2Ch Yn増分(i)》3Bh
《ペン状態(i)》
ペンの上げ下げを作成する文字の各点に応じて切り替えます。
指定範囲:
スタンダードモード
ペンを上げる…-99以下の整数
ペンを下げる…+99以上の整数
エンハンスモード
ペンを上げる…-9999以下の整数
ペンを下げる…+9999以上の整数
※ エンハンスモードがOFFのときを「スタンダードモード」と呼びます。
このパラメータは、本命令の中で任意に指定できます。
本命令の実行時にはペンが上がった状態になります。
《X増分(i)》《Y増分(i)》
文字の形にしたがって、現在のペン位置からX/Y方向の増分を指定していきます。2点目以降は、直前の位置からの相対座標で指定します。
それぞれの増分は、文字プロット方向に依存します。
指定範囲:
スタンダードモード-98~+98の整数
エンハンスモード-9998~+9998の整数
パラメータを省略した場合は、ペンをキャリッジリターン位置へ移動します。
ユーザー定義文字は、本命令によって現在の文字種(固定/可変)とメニューのエンハンスモードの設定によって決定するNCPセルのグリッドで定義されます(NCPセルの大きさには依存しません)。NCPセル間隔設定命令(ES)
それぞれのモードでの文字グリッド数は次のとおりです。
モード
余白を含む1文字分の幅×高さ
文字部分の幅×高さ
スタンダードモード
6×16グリッド
4×8グリッド
エンハンスモード
(固定文字)
48×64グリッド
32×32グリッド
エンハンスモード
(可変文字)
42×72グリッド
32×36グリッド
ユーザー定義文字は、本命令実行時に直接プロットし、データが登録されることはありません。

塗りつぶしパターン命令(UF)

塗りつぶしパターンを平行線の間隔で設定します。
JIS
UF《間隔(i)《,間隔(i)》》;
16進数
55h 46h《間隔(i)《2Ch 間隔(i)》》3Bh
《間隔(i)》
平行線の間隔を指定します。
単位はなく、塗りつぶし選択命令(FT)で指定された間隔範囲に割り付けます。
パラメータの指定を省略すると、FT命令の間隔になります。
塗りつぶし選択命令(FT)で双方向/単方向ユーザー指定タイプの塗りつぶしを設定しているときに有効です。

扇形塗りつぶし命令(WG)

現在のペン位置を中心とし、指定された半径と角度の扇形の領域を塗りつぶします。
JIS
WG<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
57h 47h<半径(sd)>2Ch<始点角(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<半径(sd)>
扇形の半径を指定します。
正の値を指定すると中心点から右方向の水平位置が基準点(0度)となり、負の値を指定すると左方向の水平位置が基準点となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
<始点角(sd)>
扇形の始点となる角度を指定します。正の値を指定すると半径の符号で決まる基準点から反時計方向、負の値を指定すると時計方向になります。
<中心角(sd)>
扇形の中心角を指定します。正の値を指定すると円周上の始点角の位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
扇形の滑らかさを指定します。扇形の弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
塗りつぶしは、現在選択されているペンおよび線の種類で行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

X軸目盛プロット命令(XT)

現在のペン位置から、垂直方向にX軸目盛りをプロットします。
JIS
XT;
16進数
58h 54h 3Bh
軸目盛りの長さは、座標軸目盛長設定命令(TL)で指定します。
軸目盛りは、ペン状態(UP/DOWN)に関係なく描けます。

Y軸目盛プロット命令(YT)

現在のペン位置から、水平方向にY軸目盛りをプロットします。
JIS
YT;
16進数
59h 54h 3Bh
軸目盛りの長さは、座標軸目盛長設定命令(TL)で指定します。
軸目盛りは、ペン状態(UP/DOWN)に関係なく描けます。
842H-03E