HP-GL/2命令(1/2)

HP Designjet 800で使用できるHP-GL/2命令について説明します。
本エミュレーションモードで意味の異なる命令については、それぞれの命令の中でその内容を説明します。

絶対座標円弧プロット命令(AA)

指定する絶対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描きます。
JIS
AA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
41h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<X座標(sd)><Y座標(sd)>
円弧の中心点を絶対座標で指定します。
<中心角(sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
円弧は、直前のペン状態(UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。

アンカー座標命令(AC)

塗りつぶしを行うときの始点を指定します。
JIS
AC 《X座標 (sd)》 《,Y座標 (sd);
16進数
41h 43h 《X座標 (sd)》 《2Ch Y座標 (sd) 3Bh
《X座標 (sd)》 《Y座標 (sd)》
塗りつぶしする座標の開始点を指定します。
プロッターユニットでXとYの座標位置を指定した場合、スケーリングをオンにしたり、P1とP2の座標位置を変更したりしても、アンカーの座標位置に影響はありません。ユーザーユニットでXとYの座標位置を指定した場合、スケーリングをオンにしたり、P1とP2の座標位置を変更したりしただけ、アンカーの座標位置が移動します。

補助フォント指定命令(AD)

補助フォントの属性を指定します。
JIS
AD 《種類(i)》 《,値 (sd)》 …… 《,種類 (i)》 《,値 (sd)》;
16進数
41h 44h 《種類 (i)》 《2Ch値 (sd)》 …… 《2Ch種類 (i)》 《2Ch値 (sd)》 3Bh
《種類 (i)》
属性の種類を指定します。
種類
属性
1
Character Set (文字セット)
2
Font Spacing (文字間隔)
3
Pitch (文字ピッチ)
4
Height (サイズ)
5
Posture (スタイル)
6
Stroke Weight (太さ)
7
Typeface (書体)
《値 (sd)》
Character Set (文字セット)
文字セットの属性を指定します。
設定
設定
0 (= 277)
Roman8
426
Ventura International
1
Math-7
458
Ventura U.S.
2
Line Draw-7
11
JIS ASCII
3
HP Large Characters
43
Katakana
4
Norwegian v1
267
Kana-8
37
United Kingdom
299
Korean-8
38
French
1611
JIS Kanji-1
39
German
1643
JIS Kanji-2
263
Greek-8
12
Line Draw-7
8
Hebrew-7
44
HP Block Characters
264
Hebrew-8
76
Tax Line Draw
9
Italian
268
Line Draw-8
202
Microsoft Publishing
300
Ventura ITC Zapf Dingbats
234
DeskTop
330
PS Text
332
PS ITC Zapf Dingbats
364
ITC Zapf Dingbats Series 100
531
HP-GL Download
563
HP-GL Drafting
396
ITC Zapf Dingbats Series 200
595
HP-GL Special Symbols
20
Thai-8
428
ITC Zapf Dingbats Series 300
276
Turkish-8
21
ANSI US ASCII
13
Math-7
53
Legal
45
Tech-7 (DEC)
181
HPL Language Set
173
PS Math
245
OEM-1 (DEC Set)
205
Ventura Math
277 (=0)
Roman8
269
Math-8
309
Windows
14
ECMA-94 Latin 1 (8-bit version)
341
コンピュータ-8
373
コンピュータ-8 Denmark/Norway
78
ECMA-94 Latin 2
405
コンピュータ-850
174
ECMA-128 Latin 5
501
Pi Font
334
ECMA-113/88 Latin/Cyrillic
565
コンピュータ-852
22
Arabic (MacKay's Version)
15
OCR-A
278
Arabic-8
47
OCR-B
25
3 of 9 Barcode
79
OCR-M
57
Industrial 2 of 5 Barcode
16
APL (typewriter-paired)
89
Matrix 2 of 5 Barcode
48
APL (bit-paired)
153
Interleaved 2 of 5 Barcode
145
コンピュータ Line
18
Cyrillic ASCII
185
CODABAR Barcode
50
Cyrillic
217
MSI/Plessey Barcode
114
コンピュータ Cyrillic
249
Code 11 Barcode
19
Swedish for names
281
UPC/EAN Barcode
83
Spanish
505
USPS Zip
243
HP European Spanish
26
Not used
275
HP Latin Spanish
省略値:
0または277 (Roman8)
Font Spacing (文字間隔)
文字間隔の属性を指定します。
設定
0
fixed spacing
1
variable spacing
省略値:
0 (fixed spacing)
Pitch (文字ピッチ)
文字ピッチの属性を指定します。
指定範囲:
0~32,767.9999
Height (サイズ)
サイズの属性を指定します。
指定範囲:
0~32,767.9999
Posture (スタイル)
スタイルの属性を指定します。
設定
0
upright
1
Italic
Stroke Weight (太さ)
太さの属性を指定します。
設定
-7
very light
-3
light
0
normal
3
bold
7
very bold
9999
*
*  Typeface(書体)でstick fontを指定した場合にのみ適用されます。また、stick fontは現在のペンの太さで描画されます。
省略値:
0 (normal)
Typeface (書体)
書体の属性を指定します。
設定
設定
0
Line Printer or Line Draw
39
Baskerville
1
Pica
41
Trade Gothic
2
Elite
42
Goudy Old Style
3
Courier
43
ITC Zapf Chancery
4
Helvetica
44
Clarendon
5
Times Roman
45
ITC Zapf Dingbats
6
Letter Gothic
46
Cooper
7
Script
47
ITC Bookman
8
Prestige
48
Stick (default)
9
Caslon
49
HP-GL Drafting
10
Orator
50
HP-GL fixed and variable arc
11
Presentation
13
Serifa
51
Gill Sans
14
Futura
52
Univers
15
Palatino
53
Bodoni
16
ITC Souvenir
54
Rockwell
17
Optima
55
Melior
18
ITC Garamond
56
ITC Tiffany
20
Coronet
57
ITC Clearface
21
Broadway
58
Amelia
23
Century Schoolbook
59
Park Avenue
24
University Roman
60
Handel Gothic
27
ITC Korinna
61
Dom Casual
28
Naskh (generic Arabic typeface)
62
ITC Benguiat
63
ITC Cheltenham
29
Cloister Black
64
Century Expanded
30
ITC Galliard
65
Franklin Gothic
31
ITC Avant Garde Gothic
68
Plantin
32
Brush
69
Trump Mediaeval
33
Blippo
70
Futura Black
34
Hobo
71
ITC American Typewriter
35
Windsor
72
Antique Olive
38
Peignot
73
Uncial
74
ITC Bauhaus
101
Garamond (Stempel)
75
Century Oldstyle
102
Garth Graphic
76
ITC Eras
103
ITC Ronda
77
ITC Friz Quadrata
104
OCR-A
78
ITC Lubalin Graph
105
ITC Century
79
Eurostile
106
Englische Schreibschrift
80
Mincho
107
Flash
81
ITC Serif Gothic
108
Gothic Outline (URW)
82
Signet Roundhand
109
Stencil (ATF)
83
Souvenir Gothic
110
OCR-B
84
Stymie
111
Akzidenz-Grotesk
87
Bernhard Modern
112
TD Logos
89
Excelsior
113
Shannon
90
Grand Ronde Script
114
ITC Century
91
Ondine
152
Maru Gosikku
92
P.T.Barnum
153
Gosikku (Kaku)
93
Kaufman
154
Socho
94
ITC Bolt Bold
155
Kyokasho
96
Helv Monospaced
156
Kaisho
97
Revue

相対座標円弧プロット命令(AR)

現在のペン位置からの相対的な位置を中心とし、現在のペン位置が始点となる円弧を描きます。
JIS
AR <X増分 (sd)>,<Y増分 (sd)>,<中心角 (sd)> 《,分解能 (sd)》;
16進数
41h 52h <X増分 (sd)> 2Ch <Y増分 (sd)> 2Ch <中心角 (sd)> 《2Ch 分解能 (sd)》 3Bh
<X増分 (sd)><Y増分 (sd)>
円弧の中心点を現在のペン位置から相対座標で指定します。
<中心角 (sd)>
円弧の角度を指定します。正の値を指定すると現在のペン位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能 (sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
円弧は、直前のペン状態 (UP/DOWN)と現在のペンの種類で描かれます。
円弧は現在のウィンドウ内にのみ描きますが、中心座標は作図範囲内である必要はありません。

3点絶対円弧命令(AT)

指定する絶対座標を中心とし、現在のペン位置が始点となり、中間点、終点を通って円弧を描画します。
JIS
AT <X中間座標 (sd)>,<Y中間座標 (sd)>,<X終点座標 (sd)>,<Y終点座標 (sd)>,<中心角 (sd)>,《分解能(sd)》;
16進数
41h 54h <X中間座標 (sd)> 2Ch <Y中間座標 (sd)> 2Ch <X終点座標 (sd)> 2Ch <Y終点座標 (sd)> 2Ch <中心角 (sd)> 《2Ch分解能 (sd)》 3Bh
<X中間座標 (sd)><Y中間座標 (sd)>
円弧の中間点を絶対座標で指定します。
<X終点座標 (sd)><Y終点座標 (sd)>
円弧の終点を絶対座標で指定します。
《分解能 (sd)》
円弧の滑らかさを指定します。円弧は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)

開始プロット命令(BP)

作図データにヘッダーを挿入して、プロットする開始位置を示します。
JIS
BP《種類(i),値(sd)》;
16進数
42h 50h《種類(i)2Ch値(sd)》3Bh
《種類(i)》
種類
対応する値のパラメータと、その設定内容
2
《枚数(sd)》
リプロット命令を設定している場合、本命令によってリプロットする枚数を追加します。
(省略値: 1)
3
《リプロットの有効/無効指定(sd)》
'0'を指定すると、プロット処理が保持され、リプロットが可能となります。
'1'を指定すると、プロット処理は保持されず、リプロットが無効となります。
(省略値: 0)
4
《最終プロット(sd)》
'0'を指定すると、最終プロットを描画します。
'1'を指定すると、最終プロットを描画しません。
(省略値: 0)
5
《自動回転(sd)》
'0'を指定すると、自動回転を行います。
'1'を指定すると、自動回転を行いません。また、メニューのレイアウトグループの「座標回転」の設定が無効になります。
'2'を指定すると、自動回転を行いません。また、メニューのレイアウトグループの「座標回転」の設定が無効になります。また、X座標軸はPSコマンドの設定にかかわらず、用紙搬送方向の向きに設定されます。
(省略値: 0)
枚数の指定は、共通メニューの「コピー部数」によって影響されません。

相対座標ベジェ曲線命令(BR)

指定する相対座標を中心として、ベジェ曲線を描画します。
JIS
BR<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;
16進数
42h 52h<第1X座標(sd)>2Ch<第1Y座標(sd)>2Ch<第2X座標(sd)>2Ch<第2Y座標(sd)>2Ch<第3X座標(sd)>2Ch<第3Y座標(sd)>……《2Ch第1X座標(sd)》《2Ch第1Y座標(sd)》《2Ch第2X座標(sd)》《2Ch第2Y座標(sd)》《2Ch第3X座標(sd)》《2Ch第3Y座標(sd)》3Bh
<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>
現在のペン位置を基準に、3点の座標位置を指定します。第1曲線を描画する第1、2、3の座標点を指定すると、続く3点の座標点は第1曲線における第3の座標点を基準に指定されます。

絶対座標ベジェ曲線命令(BZ)

指定する絶対座標を中心として、ベジェ曲線を描画します。
JIS
BZ<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>……《,第1X座標(sd)》《,第1Y座標(sd)》《,第2X座標(sd)》《,第2Y座標(sd)》《,第3X座標(sd)》《,第3Y座標(sd)》;
16進数
42h 5Ah<第1X座標(sd)>2Ch<第1Y座標(sd)>2Ch<第2X座標(sd)>2Ch<第2Y座標(sd)>2Ch<第3X座標(sd)>2Ch<第3Y座標(sd)>……《2Ch第1X座標(sd)》《2Ch第1Y座標(sd)》《2Ch第2X座標(sd)》《2Ch第2Y座標(sd)》《2Ch第3X座標(sd)》《2Ch第3Y座標(sd)》3Bh
<第1X座標(sd)>,<第1Y座標(sd)>,<第2X座標(sd)>,<第2Y座標(sd)>,<第3X座標(sd)>,<第3Y座標(sd)>
絶対座標を基準に、3点の座標位置を指定します。第1曲線を描画する第1、2、3の座標点を指定すると、続く3点の座標点は第1曲線における第3の座標点を基準に指定されます。

円プロット命令(CI)

現在のペン位置を中心として、指定の半径の円を描きます。
JIS
CI<半径(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
43h 49h<半径(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<半径(sd)>
円の半径を指定します。円プロットの開始点は、半径が正の値のときは現在のペン位置から見て0度、負の値のときは180度の位置になります。
半径は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットで指定します。
《分解能(sd)》
円の滑らかさを指定します。円は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
分解能の指定によって、正方形、正五角形、正六角形などを描画することも可能です。
本命令で円を描いた場合、現在のペン位置およびペン状態(UP/DOWN)は本命令実行前の状態に戻ります。

注釈入力命令(CO)

HP-GL/2命令の中にコメント(注釈)を挿入します。注釈の文字列はダブルクォーテーション(" ")で囲みます。
JIS
CO《"文字列データ(ASC)"》;
16進数
43h 4fh《22h文字列データ(ASC)22h》3Bh
挿入される文字列はコマンドとして処理されないので、コマンドに関するメモを残しておく際に使用します。

ペン移動命令(文字数単位)(CP)

指定した文字数および行数だけペン位置を移動します。
JIS
CP《横方向文字数(sd)》《,縦方向行数(sd)》;
16進数
43h 50h《横方向文字数(sd)》《2Ch縦方向行数(sd)》3Bh
《横方向文字数(sd)》《縦方向行数(sd)》
ペンを移動する文字数(横方向)および行数(縦方向)を指定します。
負の値を指定すると、文字プロット方向に対して1文字後退(横方向)または逆改行(縦方向)を行います。
パラメータを省略し、CP命令だけを送ると、 CR および LF (復帰改行)動作を行います。
本命令によるペン位置の移動は、文字プロットの方向にしたがいます。
本命令は、ペン状態(UP/DOWN)は変化しません。

相対座標色範囲命令(CR)

RGB(赤、緑、青)データの色範囲を指定します。
JIS
CR《黒参照の赤(sd)》《,白参照の赤(sd)》《,黒参照の緑(sd)》《,白参照の緑(sd)》《,黒参照の青(sd)》《,白参照の青(sd)》;
16進数
43h52h《黒参照の赤(sd)》《2Ch白参照の赤(sd)》《2Ch黒参照の緑(sd)》《2Ch白参照の緑(sd)》《2Ch黒参照の青(sd)》《2Ch白参照の青(sd)》3Bh
RGB値の範囲を指定します。RGBのパラメータは、それぞれ黒および白の値を参照します。
省略値:
0(黒参照)、255(白参照)
初期値設定命令(IN)によって、本命令は省略値に戻ります。

分解能モード指定命令(CT)

円、円弧、扇形などをプロットするときに設定する分解能のパラメータのモードを指定します。
JIS
CT《モード(i)》;
16進数
43h 54h《モード(i)》3Bh
《モード(i)》
分解能モードを指定します。
設定内容
0
角度モード
1
偏倚距離モード
省略値:
0
角度モードでは、プロット開始の角度(円の場合は0または180度、円弧は指定座標によって決まる角度、扇形は指定の開始角度)から終了角度までの中心角を指定の分解能(角度)で分割します。有効な角度の指定範囲は、0度から180度になります。偏倚距離モードでは、円弧上の2点を通る直線と円弧の間の最長垂線距離を指定し、弦の分割数が決定します。

標準値状態設定命令(DF)

設定パラメータを初期状態に戻します。初期状態
JIS
DF;
16進数
44h 46h 3Bh
次の設定は、本命令では初期化されません。
スケーリングポイントP1、P2の位置
現在のペン位置とペンの種類
座標系の回転(90度)

絶対値による文字方向設定命令(DI)

文字をプロットする方向(角度)を指定します。
JIS
DI《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
16進数
44h 49h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh
《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan1(rise/run))を指定します。
run値およびrise値の値の符号とプロット方向は次のようになります。
run値
rise値
文字プロットの方向
0
0
正の値
0
水平方向(0度)
正の値
正の値
0度 <文字方向 <90度
0
正の値
垂直方向(90度)
負の値
正の値
90度 <文字方向 <180度
負の値
0
水平方向(180度)
負の値
負の値
180度 <文字方向 <270度
0
負の値
垂直方向(270度)
正の値
負の値
270度 <文字方向 <360度
パラメータを省略すると、水平方向(DI 1,0;)に文字がプロットされます。
本命令による文字プロットの方向は、スケーリングポイントP1、P2による絶対方向には影響されません。
本命令では、現在のペン位置がキャリッジリターン位置となります。

ダウンロードキャラクタ定義命令(DL)

ユーザー独自の文字を作成し、ダウンロードキャラクタバッファーに登録して繰り返し使用することができます。
JIS
DL《文字番号(i)《,コントロール値(i)》,X座標値(i),Y座標値(i),……《,コントロール値(i)》,…… 》;
16進数
44h 4Ch《文字番号(i)《2Ch コントロール値(i)》2Ch X座標値(i)2Ch Y座標値(i)2Ch …… 2Ch《コントロール値(i)》2Ch …… 》3Bh
《文字番号(i)》
ダウンロード文字の番号を指定します。
範囲:
33~126
《コントロール値(i)》
次に指定するX,Y座標値に移動するときにペンを上げます。
指定値:
-128
《X座標値(i)》《Y座標値(i)》
文字グリッド上のX,Y座標値を指定します。
範囲:
-127~127
パラメータを省略すると、ダウンロードキャラクタバッファーをすべてクリアします。また、文字番号のみ指定した場合は、その文字のみバッファーからクリアします。
ペンコントロール値とX,Y座標値は、合計255個まで指定できます。
本命令で定義される文字は、文字セット番号が「-1」となります。
ダウンロード文字の定義のしかたは、NCPセルに対する絶対グリッドによる指定になります。

相対値による文字方向設定命令(DR)

文字スケーリングポイントP1、P2の設定にしたがって文字をプロットする方向(角度)を指定します。
JIS
DR《run値(sd)》《,rise値(sd)》;
16進数
44h 52h《run値(sd)》《2Ch rise値(sd)》3Bh
《run値(sd)》《rise値(sd)》
run値およびrise値は、上図のように文字プロットの方向の送り量に対する垂直移動量を設定し、文字列プロットの角度(θ=tan1(rise/run))を指定します。
run値はスケーリングポイント(P2x-P1x)の現在のパーセント値で指定し、rise値は(P2y-P1y)の現在のパーセント値で指定します。
パラメータを省略すると、水平方向(DR 1,0;)に文字がプロットされます。
ダウンロード文字の定義のしかたは、NCPセルに対する絶対グリッドによる指定になります。

文字列ターミネータ指定命令(DT)

LB命令、BL命令、WD命令でプロットする文字列の最後に送る文字プロットモードを解除するターミネータの文字キャラクタを指定します。
JIS
DT<文字(ASC)>;
16進数
44h 54h<文字(ASC)>3Bh
<文字(ASC)>
ターミネータとする文字キャラクタを指定します。
ただし、ハンドシェークモードの設定によって、本エミュレーションモードに文字キャラクタが転送されない場合や、パラメータを省略した場合は、次に指定したコードをターミネータとします。
制御コードを指定した場合は、その文字は印字されませんが機能は実行されます。また、ASCII文字を指定した場合は、文字列の最後にその文字が印字されます。

文字プロットパス命令(DV)

文字プロットおよび改行を行うときの方向を指定します。
JIS
DV《パス(i)》《,行(i)》;
16進数
44h 56h《パス(i)》《2Ch行(i)》3Bh
《パス(i)》
絶対値による文字方向設定命令(DI)または相対値による文字方向設定命令(DR)で指定された文字プロット方向を中心とし、文字プロットする方向を指定します。
設定
0
0°。次に続くスペルは、右側に配置されます(RIGHT)。
1
-90°。次に続くスペルは、下側に配置されます(DOWN)。
2
-180°。次に続くスペルは、左側に配置されます(LEFT)。
3
-270°。次に続くスペルは、上側に配置されます(UP)。
《行》
絶対値による文字方向設定命令(DI)または相対値による文字方向設定命令(DR)で指定された文字プロット方向を中心とし、改行する方向を指定します。
設定
0
-90°。通常の方向に改行します。
1
+90°。通常とは逆の方向に改行します。

絶対座標長方形プロット命令(EA)

現在のペン位置と指定する絶対座標を対角線上の2点とする四角形を描きます。
JIS
EA<X座標(sd)>,<Y座標(sd)>;
16進数
45h 41h<X座標(sd)>2Ch<Y座標(sd)>3Bh
<X座標(sd)><Y座標(sd)>
現在のペン位置に対して、長方形の対角線上の角となる座標を指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

相対座標長方形プロット命令(ER)

現在のペン位置からの相対的な位置を指定し、その位置と現在のペン位置を対角線上の2点とする四角形を描きます。
JIS
ER<X増分(sd)>,<Y増分(sd)>;
16進数
45h 52h<X増分(sd)>2Ch<Y増分(sd)>3Bh
<X増分(sd)><Y増分(sd)>
長方形の対角線上の角となる位置を現在のペン位置からの相対座標で指定します。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

NCPセル間隔設定命令(ES)

文字間隔や行間隔を設定します。
JIS
ES《文字間隔(sd)《,行間隔(sd)》》;
16進数
45h 53h《文字間隔(sd)《2Ch 行間隔(sd)》》3Bh
《文字間隔(sd)》
文字間隔を設定します。
単位:
NCPセルの幅
省略値:
0
正の値を指定すると、文字間隔が広がり、負の値を指定すると狭くなります。
《行間隔(sd)》
行間隔を設定します。
単位:
NCPセルの高さ
省略値:
0
正の値を指定すると、行間が離れ、負の値を指定すると狭くなります。
NCP(Normal Character Plot)セルは、1文字分の長方形状の領域です。

扇形プロット命令(EW)

現在のペン位置を中心とし、指定された半径と角度の扇形を描きます。
JIS
EW<半径(sd)>,<始点角(sd)>,<中心角(sd)>《,分解能(sd)》;
16進数
45h 57h<半径(sd)>2Ch<始点角(sd)>2Ch<中心角(sd)>《2Ch 分解能(sd)》3Bh
<半径(sd)>
扇形の半径を指定します。
正の値を指定すると中心点から右方向の水平位置が基準点(0度)となり、負の値を指定すると左方向の水平位置が基準点(180度)となります。
座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
<始点角(sd)>
扇形の始点となる角度を指定します。正の値を指定すると半径の符号で決まる基準点から反時計方向、負の値を指定すると時計方向になります。
<中心角(sd)>
扇形の中心角を指定します。正の値を指定すると円周上の始点角の位置から反時計方向、負の値を指定すると時計方向に描きます。
《分解能(sd)》
扇形の滑らかさを指定します。扇形は実際はいくつかの直線(弦)に分けて描かれます。
この弦の長さを分解能モード(角度/偏倚)に従って指定します。
省略値:
5度(角度モード)
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。
本命令の実行時は、線の種類選択命令(LT)で指定された線種は無効となり、実線で描かれます。

多角形塗りつぶし命令(FP)

ポリゴンバッファーに定義されている多角形の内部を塗りつぶします。
JIS
FP;
16進数
46h 50h 3Bh
次の命令で定義された多角形に対して塗りつぶしが行われます。
本命令の実行後、現在のペン位置とペン状態(UP/DOWN)は実行前の状態に戻ります。

塗りつぶし選択命令(FT)

指定された図形を塗りつぶすときの塗りつぶし方法を選択します。
JIS
FT《種類(i)《,間隔(sd)《,角度(sd)》》》;
16進数
46h 54h《種類(i)《2Ch 間隔(sd)《2Ch 角度(sd)》》》3Bh
《種類(i)》
領域の塗りつぶし方法を選択します。
設定内容
1
双方向塗りつぶし
2
単方向塗りつぶし
3
ハッチング
4
クロスハッチング
10
双方向ユーザー指定タイプ
11
単方向ユーザー指定タイプ
省略値:
1
《間隔(sd)》
ハッチングおよびクロスハッチングの平行線の間隔を指定します。
間隔を指定する座標系は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットになります。
省略値:
スケーリングポイントP1、P2の対角の距離の1%
ただし、間隔0のときはPT命令によるペンの太さになります。
《角度(i)》
塗りつぶしを行う線の角度を指定します。
指定範囲:
水平線から反時計方向の角度
省略値:
0度
0度では水平線、90度では垂直線となります。
双方向/単方向塗りつぶしでは無効になります。
「種類」で双方向塗りつぶし「1」を選択した場合、線の種類選択命令(LT)で直線以外の線種が設定されているときは単方向塗りつぶし「2」になります。

初期値設定命令(IN)

本エミュレーションモードの設定を、電源を入れたときの状態に戻します。
JIS
IN;
16進数
49h 4Eh 3Bh
本命令を実行すると、設定されているパラメータが初期化されて初期値に戻るとともに、次の状態に設定されます。
スケーリングポイントP1、P2の位置は初期状態の位置に戻ります。
ペンを上げます。
すべてのHP-GL/2エラーがクリアされます。
座標の回転状態は0°になります。

P1とP2入力命令(IP)

スケーリングポイントP1、P2を設定します。
JIS
IP《P1のX座標(i),P1のY座標(i)》《,P2のX座標(i),P2のY座標(i)》;
16進数
49h 50h《P1のX座標(i)2Ch P1のY座標(i)》《2Ch P2のX座標(i)2Ch P2のY座標(i)》3Bh
《P1のX座標(i)》《P1のY座標(i)》
スケーリングポイントP1の位置をプロッタ-ーユニットの絶対座標で指定します。
《P2のX座標(i)》《P2のY座標(i)》
スケーリングポイントP2の位置をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
P2の指定を省略し、P1だけを指定した場合、P2はP1と同じ増分で元の位置から移動します。したがって、P1、P2間のX/Y方向の距離は、本命令の実行前と同じになります。
P1およびP2は、作図データの用紙サイズの最大座標範囲に関係なく設定できます。なお、P1およびP2のパラメータを省略すると、P1、P2の位置は現在の用紙サイズの初期状態の位置に戻ります。
本命令による設定が有効な場合、ステータスバイトのビット1を設定します。

相対座標P1P2入力命令(IR)

ハードクリップ領域を中心とし、スケーリングポイントP1、P2を設定します。
JIS
IR《P1のX座標(sd),P1のY座標(sd)》《,P2のX座標(sd),P2のY座標(sd)》;
16進数
49h 52h《P1のX座標(sd),P1のY座標(sd)》《,P2のX座標(sd),P2のY座標(sd)》3Bh
《P1のX座標(sd)》《P1のY座標(sd)》
スケーリングポイントP1の位置をハードクリップ領域の比率で指定します。
《P2のX座標(sd)》《P2のY座標(sd)》
スケーリングポイントP2の位置をハードクリップ領域のパーセント値で指定します。
P2の指定を省略し、P1だけを指定した場合、P2はP1と同じ増分で元の位置から移動します。したがって、P1、P2間のX/Y方向の距離は、本命令の実行前と同じになります。
P1およびP2は、作図データの用紙サイズの最大座標範囲に関係なく設定できます。
なお、P1およびP2のパラメータを省略すると、P1、P2の位置は現在の用紙サイズの初期状態の位置に戻ります。
本命令による設定が有効な場合、ステータスバイトのビット1を設定します。

ウィンドウ設定命令(IW)

作図範囲の中でペンを移動できる特定の領域を指定します。この領域を「ウィンドウ」といいます。
JIS
IW《左下のX座標(i),左下のY座標(i),右上のX座標(i),右上のY座標(i)》;
16進数
49h 57h 《左下のX座標(i)2Ch 左下のY座標(i)2Ch 右上のX座標(i)2Ch 右上のY座標(i)》 3Bh
《左下のX座標(i),左下のY座標(i)》
ウィンドウの左下端をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
《右上のX座標(i),右上のY座標(i)》
ウィンドウの右上端をプロッターユニットの絶対座標で指定します。
それぞれの座標は、スケーリングがオフのときはプロッターユニット、オンのときはユーザーユニットで指定します。
パラメータを省略するとウィンドウ範囲は、現在のクリップモードの位置になります。

線の属性指定命令(LA)

線の端の形を指定します。
JIS
LA《種類(i = 1)》《,値(i)》《,種類(i = 2)》《,値(i)》《,種類(i = 3)》《,値(sd)》;
16進数
4Ch 41h《種類(i = 1)》《2Ch値(i)》《2Ch種類(i = 2)》《2Ch値(i)》《2Ch種類(i = 3)》《2Ch値(sd)》3Bh
《種類(i)》
線の種類を指定します。
種類
対応するパラメータ
1
2
結び
3
留め
《値(i)》
それぞれの線の属性を指定します。
設定内容
1
Butt(切れ端)
2
正方形
3
三角形
4
円形
省略値:
1
結び
設定内容
1
留め継ぎ
2
留め継ぎ/斜角
3
三角形
4
円形
5
斜角
6
設定しない
省略値:
1
《値(sd)》
留め
省略値:
5
線の太さが0.35 mm以下の場合、設定にかかわらず線の端は円形になります。

文字プロット命令(LB)

現在選択されている文字セットを使用して、文字のプロットとラベルバッファーへの登録を行います。
JIS
LB《文字列データ(ASC)》 ETX
16進数
4Ch 42h《文字列データ(ASC)》03h
《文字列データ(ASC)》
プロットする文字を指定します。
文字列には、印刷可能なすべての文字、 CR 、 LF 、などの制御コードなどを指定できます。本命令によって漢字を印字することもできます。
パラメータの指定を省略すると、ラベルバッファーがクリアされます。
文字のプロットは、文字列の最後のターミネータ(初期状態で ETX (03h))によってのみ終了します。
文字プロット後のペン位置は、次にプロットする文字の基準位置に移動します。
文字の方向、大きさ、傾きは、次の命令で指定できます。
下図のそれぞれの文字のマスを「NCP(Normal Character Plot)セル」といいます。
文字プロットのターミネータ ETX は、文字列ターミネータ指定命令(DT)によって変更することができます。

文字プロットモード命令(LM)

LBおよびSM命令と共に使用し、1バイトまたは2バイトモードで文字プロットするかどうかを選択します。
JIS
LM<モード(i)>,<行数(i)>;
16進数
4Ch 4Dh<モード(i)>2Ch<行数(i)>3Bh
<モード(i)>
処理モードを指定します。
設定内容
0
1バイト(8ビット)モードで処理します。
1
2バイト(16ビット)モードで処理します。
省略値:
0(8ビット)
<行数(i)>
2バイトの文字セットが選択されている状態で、モードを'0'に設定した場合にのみ使用します。この行数は、2バイトのうち1バイト目を示します。
LM命令でモードを切り替えた場合、SM命令は終了します。DTは1バイトでの終了定義のみ許可します。2バイトモードで文字プロットを解除するには、文字プロットのターミネータの前にnull文字(10進数の'0')を付けてください。
省略値:
0

文字プロット位置指定命令(LO)

プロットする文字の基準位置を指定します。
JIS
LO 《基準位置(i)》 ETX
16進数
4Ch 4Fh《基準位置(i)》03h
《基準位置(i)》
プロットする文字の基準となる現在ペン位置を指定します。
設定内容
設定内容
1
文字列の左下
11
文字列の左下+オフセット量
2
文字列の左中央
12
文字列の左中央+オフセット量
3
文字列の左上
13
文字列の左上+オフセット量
4
文字列の中央下
14
文字列の中央下+オフセット量
5
文字列の中心
15
文字列の中心+オフセット量
6
文字列の中央上
16
文字列の中央上+オフセット量
7
文字列の右下
17
文字列の右下+オフセット量
8
文字列の右中央
18
文字列の右中央+オフセット量
9
文字列の右上
19
文字列の右上+オフセット量
パラメータの値11~19の基準位置は、文字サイズ指定命令(絶対値)(SI)または文字サイズ指定命令(相対値)(SR)で設定された文字幅の1/2、文字高の1/2のオフセット量が付加されます。なお、可変文字の場合は、横方向は文字幅の平均値の1/2、縦方向は文字高の1/2になります。

線の種類選択命令(LT)

プロット命令で使用する線の種類を指定します。
JIS
LT《パターン番号(i)《,パターン長(sd)》》;
16進数
4Ch 54h《パターン番号(i)《2Ch パターン長(sd)》》3Bh
《パターン番号(i)》
点線や破線のパターンを指定します。
省略値:
実線
《パターン長(sd)》
上表のパターン長をスケーリングポイントP1、P2間の対角線上の距離のパーセント値で指定します。
省略値:
4%
842H-130