オートレイアウト機能について
原稿サイズを自動的に判別し、出力する用紙サイズに合わせて用紙の中央にレイアウトされます。
A1サイズのデータをA3に縮小印字するなど、原稿サイズや出力する用紙サイズが異なるときにレイアウト機能を出力ごとに設定する必要がなくなります。
オートレイアウトを有効にした場合、用紙グループ、レイアウトグループ、およびプロッターグループの設定は無効になります。
有効印字領域
用紙の各端から5mm内側までとなります。有効印字領域を越えた部分に作図データがある場合は、その部分が印刷されません。レイアウトの設定と同じ領域になります。
ただし、画像欠け防止を設定した場合は、用紙端 5mm よりも外側の領域まで印字できます。
原稿サイズ識別方法
原稿として読み取れる領域を「有効座標エリア」として説明します。
自動識別時に優先されるコマンドについて
原稿サイズ識別方法を自動識別に設定した場合、PS、IW、IPコマンドのいずれかのパラメータで指定されているエリアを有効座標エリアとして使用します。コマンドが複数あった場合、優先順位は、PS、IW、IPとなります。どのコマンドも識別できなかった場合は、作図データの最大と最小位置座標で囲まれるエリアを有効座標エリアとします。
複数の原稿のエリアを指定するコマンドを受信した場合
コマンドによって有効座標エリアが変わります。原稿サイズ識別方法が自動識別の場合は、コマンドの優先順位に従います。
コマンドの種類 | 有効座標エリア |
PSコマンド | 最初に指定されたエリアが有効座標エリアとなります。 |
IWコマンド | 最後に指定されたエリアが有効座標エリアとなります。 |
IPコマンド | 指定された全てのエリアが有効座標エリアとなります。 |
原稿サイズの決めかた
定型サイズを使用する場合
有効座標エリアの長辺・短辺が収まる最小の用紙サイズがA0~A5の中から選択されます。A0より大きい場合はA0になります。
作図領域を使用する場合
有効座標エリアの長辺・短辺のサイズを原稿サイズとします。作図領域を使用する場合、原稿サイズは出力用紙サイズを決めるためだけに使用します。
定型サイズを使用 | 作図領域を使用 |
| |
定型の用紙サイズに収まるサイズ | 作図が収まるサイズ |
「原稿サイズ微調整」を設定した場合は、定型サイズまたは作図領域の天地・左右から微調整で設定した値の2倍の数値を引いたサイズになります。
出力用紙サイズの決めかた
出力用紙サイズは次のように決定されます。
項目 | 説明 |
自動(Aサイズ) | A3、A4、A5が、用紙サイズの候補となります。原稿サイズがA3、A4、A5のいずれかの場合は、該当の用紙が選択されます。 原稿サイズがA3 より大きい場合は、A3サイズの用紙が選択されます。 |
自動(A/Bサイズ) | A3、B4、A4、B5、A5が、用紙サイズの候補となります。原稿サイズがA3、B4、A4、B5、A5のいずれかの場合は、該当の用紙が選択されます。 原稿サイズがA3 より大きい場合は、A3サイズの用紙が選択されます。 |
その他定型サイズ(A3、A4、A5、B4、B5) | 指定したサイズが、出力される用紙サイズになります。 |
出力レイアウトと拡大/縮小率について
オートレイアウト有効時の拡大/縮小率は、「原稿サイズ」と「画像欠け防止」の設定によって異なります。
原稿サイズ | 画像欠け防止 | 原稿サイズと出力サイズの関係 | 印刷される倍率 |
定型サイズを使用 | しない | 原稿サイズと出力用紙サイズが同じ | 等倍(100%)で印刷されます。 |
原稿サイズが出力用紙サイズより大きい | 原稿サイズは出力用紙サイズに収まるように縮小されます。 |
原稿サイズが出力用紙サイズより小さい | 等倍(100%)で印刷されます。 |
する | 原稿サイズと出力用紙サイズが同じ | 原稿サイズは有効印字領域に収まるように縮小されます。 |
原稿サイズが出力用紙サイズより大きい | 原稿サイズは有効印字領域に収まるように縮小されます。 |
原稿サイズが出力用紙サイズより小さい | 等倍(100%)で印刷されます。 |
作図領域を使用 | しない | 出力用紙サイズと有効座標エリアから拡大/縮小率を決定します。 原稿サイズよりも出力サイズが大きい場合は、有効印字領域に収まるように拡大されます。 |
する | 出力用紙の有効印字領域と有効座標エリアから拡大/縮小率を決定します。 原稿サイズよりも出力サイズが大きい場合は、有効印字領域に収まるように拡大されます。 |
レイアウト位置について
オートレイアウト有効時、プロッタIDやデータの原点によらず、有効座標エリアが用紙の中央になるようにレイアウトされます。そのため、作図が有効座標エリアの片側に寄っているようなデータの場合は、中央にレイアウトされているように見えないことがあります。
また、オートレイアウト有効時、座標回転の設定やROコマンドの有無にかかわらず、作図の向きと用紙の搬送方向から作図の長辺と用紙の長辺とが合うようにレイアウトされます。
オートレイアウト使用時の注意事項
白紙の出力について
以下のように設定した場合は、描画データが印字領域内にあるにもかかわらず、印字領域外にデータがあると判別され白紙が出力されます。白紙出力時の用紙サイズはA4です。
「原稿サイズ識別方法」が「コマンド(PS優先)」設定時、拡張PSコマンドで有効座標エリアをゼロに指定
「原稿サイズ識別方法」が「コマンド(IW優先)」設定時、IWコマンドで有効座標エリアをゼロに指定
「原稿サイズ識別方法」が「コマンド(IP優先)」設定時、IPコマンドで有効座標エリアをゼロに指定
「原稿サイズ識別方法」が「自動識別」設定時、優先されるコマンドで有効座標エリアをゼロに指定
「原稿サイズ微調整」で有効座標エリアがゼロ以下になるように設定
複数ページ対応について
オートレイアウトでは、出力までのデータを1ページと認識して処理されます。
出力後、前ページの有効座標エリアおよび各コマンドで指定された有効座標エリア候補の情報はクリアされます。したがって下記のようなデータの場合、「IN排紙」が有効であればA3を出力した後にA4を出力しますが、無効ならA3に描画を重ねて出力することになります。
データ例:
IN; // 初期化
PS16800,11880; // 拡張PS
SP1; // ペン選択
PA200,200; // ペン移動(絶対座標)
EA16600,11680; // 矩形描画命令(絶対座標)
IN; // 初期化 「IN 排紙」=『する』の場合、排紙後に初期化する
PS11880,8400; // 拡張PS
SP2; // ペン選択
PA200,200; // ペン移動(絶対座標)
EA11680,8200; // 矩形描画命令(絶対座標)
PG; // 印刷開始命令
データのキャッシュについて
オートレイアウトでは出力までのデータを解析してから用紙サイズを決定するために、受信データを1ページ分キャッシュします。データが8MBを超えた分はファイルシステムに保存されます。作成したファイルはジョブ終了時に削除されます。