フォーム作成の制御命令

フォーム作成に関する制御命令には、8種類のESX シーケンスが用意されています。

ユーザーページの登録([ESX] 01h 00h 02h h)

オーバーレイ印字するユーザー独自のフォームデータを指定のユーザーページに登録します。
JIS
ESX 01h 00h 02h h[ユーザーページ番号(1バイト)]
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 02h 68h[ユーザーページ番号(1バイト)]
[ユーザーページ番号(1バイト)]
フォームデータを登録するユーザーページを指定します。
設定内容
00h
ユーザーページ1にフォームを登録します。
01h
ユーザーページ2にフォームを登録します。
登録したフォームデータをジョブ(一連の印刷処理)が終わった時点で削除するか、キヤノン複合機/プリンターの電源をオフにするまで削除しないかは、メニューの登録レベルで選択できます。
ユーザーページの登録を開始すると、パラメータリセット処理が行われ、制御命令で設定したすべての印字パラメータが初期化されます。
すでにフォームを登録したユーザーページに、新たにフォームを登録した場合、以前のフォームデータは消去されます。

ユーザーページの登録終了([ESX] 01h 00h 02h h e [NUL])

ユーザーページまたは複写ページへのフォームデータの登録を終了します。
JIS
ESX 01h 00h 02h h e NUL
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 02h 65h 00h
ユーザーページの登録を終了すると、パラメータリセット処理が行われ、制御命令で設定したすべての印字パラメータが初期化されます。また、本制御命令を受信したとき以外にも、ユーザーページの登録が終了する場合があります。なお、本制御命令は、複写用紙機能での複写ページを登録の終了にも使用します。

LIPSの制御命令によるユーザーページの登録([ESX] 01h 00h 03h [SP] ’)

LIPSの制御命令で作成されたフォームデータを送り、指定したユーザーページに登録します。
JIS
ESX 01h 00h 03h SP ’[ユーザーページ番号(1バイト)]
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 03h 20h 27h[ユーザーページ番号(1バイト)]
[ユーザーページ番号(1バイト)]
フォームデータを登録するユーザーページを指定します。
設定内容
00h
ユーザーページ1にフォームを登録します。
01h
ユーザーページ2にフォームを登録します。
本制御命令を受信すると、ユーザーページの登録が開始され、はじめに送られてくる転送命令( ESC シーケンス)以降をLIPSの制御命令または文字データとして解釈し、フォームを登録します。I75モード(日本語モード)およびProモード(英語コード)での転送命令の書式は次のとおりです。
I75モード時の転送書式
<データ数>に設定する値は、現在のイメージの転送モードによって異なります。フォームデータの総バイト数をもとに次のように設定します。
イメージの転送モードが3バイトの場合(初期状態):
<データ数>=フォームデータの総バイト数/3
イメージの転送モードが2バイトの場合:
<データ数>=フォームデータの総バイト数/2
<データ数>に設定できる値の範囲は、メニューの印刷幅で設定した印字幅によって次のようになります。
各ページフォーマットの領域モード
印字幅
設定範囲
実寸モード(Fmode1/2)で右マージン既定値=印刷幅
縮小モード(Fmode3~8)で標準領域
13.2インチ
00h 01h ~ 09h 48h(1~ 2376)
13.6インチ
00h 01h ~ 09h 90h(1~ 2448)
8インチ
00h 01h ~ 05h A0h(1~ 1440)
実寸モードで用紙右端
縮小モードでワイド
00h 01h ~ FFh FFh(1~65535)
Proモード時の転送書式
<データ数>には、フォームデータの総バイト数(00h 00h ~ FFh FFh)を設定します。データ数は、下位、上位の順で送ります。
LIPSの制御命令でフォームデータを登録している間は、LIPS以外の制御命令は無効になります。
本制御命令を受信するとパラメータリセット処理が行われ、印字データがある場合はそのページを印字して排紙したあと、ページ登録を開始します。
ユーザーページの印字方向(ポートレイト/ランドスケープ)および用紙サイズは、本エミュレーションモードの設定(ページフォーマットおよび用紙サイズの設定)にしたがいます。なお、LIPSの制御命令は、メニューのLIPSフォームで[LIPS2]または[LIPS4]から選択できます。
LIPSの制御命令によるページ登録中は、VDMモード以外で制御命令として ESC :が送られると、指定バイト数のLIPSの制御命令が送られていなくてもフォーム登録を終了します。なお、VDMモード中のハードリセット命令やソフトリセット命令が送られるとページ登録は終了します。また、登録中はLIPSの自動改ページモードはOFFになり、垂直方向の移動命令による自動改ページは行われません。
次の制御命令およびデータは無視または無効になります。
改ページ命令 FF
ハードリセット命令 ESC c
エミュレーションモード開始命令 ESC % 1
コメント表示命令1/2/3 ESC P y ESC ¥、 ESC P O y ESC ¥、 ESC [ & y
給紙モード設定命令 ESC [ q
オーバーレイ印字開始/終了命令 ESC [ & w
文字セット削除命令 ESC [ & p
1文字登録命令バイナリ/ヘキサ ESC [ . q、 ESC [ / q
文字セット登録命令バイナリ/ヘキサ ESC [ . p、 ESC [ / p
メニューのLIPSフォームの設定が[LIPS2]の場合、次のLIPSの制御命令は転送命令以降は無効になります。また、「LIPSフォーム」の設定が[LIPS4]の場合、次の制御命令は転送命令以降に「オーバーレイページ登録開始 ESC [1 & s」を受信すると無効になります。
ソフトリセット命令 ESC <
オーバーレイページ登録開始 ESC [ 1 & s
ページフォーマット選択命令 ESC [ p
ジョブ開始終了命令 ESC P J
メニューのLIPSフォームの設定が[LIPS4]の場合は、転送命令以降で「オーバーレイページ登録開始 ESC [ 1 & s」を送らないと登録が開始されません。また、「LIPSフォーム」の設定に関係なく、「オーバーレイページ登録終了 ESC [ 0 &s」を受信するとLIPSのページ登録を終了します。
[LIPS4]のオーバーレイページ登録開始 ESC [ 0 & sで登録するページ番号は、本命令で登録するページ番号と同じでなければなりません。
メニューの登録レベルの設定が[永久]の場合、ジョブが終了しても登録ページは保持されます。

LIPSの制御命令によるユーザーページの登録終了([ESX] 01h 00h 03h [SP]. [NUL])

本制御命令を受信すると、LIPSの制御命令によるユーザーページの登録を終了します。
JIS
ESX 01h 00h 03h SP . NUL
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 03h 20h 2Eh 00h
ユーザーページの登録を終了すると、ジョブ終了と同様なリセットが行われますが、メニューの設定値は保持されます。

複写ページの登録([ESX] 01h 00h 04h [SP] ?h)

複写用紙機能でオーバーレイ印字するユーザー独自のフォームデータを、指定の共通ページまたは複写ページに登録します。
JIS
ESX 01h 00h 04h SP ? h[共通/複写ページ(1バイト)]
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 04h 20h 3Fh 68h[共通/複写ページ(1バイト)]
[共通/複写ページ(1バイト)]
フォームデータを登録するページを指定します。
設定内容
4Bh
共通ページ(K)(複写用紙の全ページに印字)
01h~05h
複写ページ1~5 (複写用紙の各ページに順番に印字)
登録したフォームデータをジョブ(一連の印刷処理)が終わった時点で削除するか、キヤノン複合機/プリンターの電源をオフにするまで削除しないかは、メニューの登録レベルで選択できます。
共通/複写ページの登録を開始すると、パラメータリセット処理が行われ、制御命令で設定したすべての印字パラメータが初期化されます。
共通/複写ページの登録は、ユーザーページの登録終了([ESX] 01h 00h 02h h e [NUL])によって終了します。
メモリーサイズを超えるページ登録を行うと「メモリーオーバー」とエラー表示され、この時点でページ登録は破棄され、以降のデータは捨てられます。

複写ページの消去([ESX] 01h 00h 04h [SP] ?r)

複写用紙機能の共通ページまたは複写ページ1~5に登録されているフォームデータを消去します。
JIS
ESX 01h 00h 04h SP ? r[共通/複写ページ(1バイト)]
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 04h 20h 3Fh 72h[共通/複写ページ(1バイト)]
[共通/複写ページ(1バイト)]
フォームデータを消去するページを指定します。
設定内容
4Bh
共通ページ(K)
01h~05h
複写ページ1~5いずれかのページ
41h
共通ページと複写ページの全ページ(A)

複写用紙のオーバーレイ印字開始([ESX] 01h 00h 05h [SP] ?p)

複写用紙機能を使用したオーバーレイ印字を開始します。
JIS
ESX 01h 00h 05h SP ? p[共通ページ番号(1バイト)],<複写枚数(1バイト)>
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 05h 20h 3Fh 70h[共通ページ番号(1バイト)]2Ch<複写枚数(1バイト)>
[共通ページ番号(1バイト)]
全ページにオーバーレイ印字するフォームのページを指定します。
設定内容
4Bh
共通ページ(K)の複写用紙のフォーム
00h
ユーザーページ1のオーバーレイのフォーム
01h
ユーザーページ2のオーバーレイのフォーム
全ページにオーバーレイ印字するフォームとして、複写用紙機能の共通ページに登録したフォームのほか、ページオーバーレイ機能のユーザーページ1・2のフォームが使用できます。
ただし、「01h」(ユーザーページ2)を指定した場合、メニューのシステムオーバーレイでオーバーレイ番号(1~5)が設定されている場合は、そのページもオーバーレイ印字されます。
<複写枚数(1バイト)>
各ページを複写する枚数を指定します。
範囲:
1~5
共通ページのフォームは全ページに、複写ページのフォームはそれぞれのページにオーバーレイ印字されます。
本制御命令で複写用紙機能を開始しても、その時点では印字は行われずに、通常のページを排紙するときにオーバーレイ印字が行われます。ただし、現在のページに印字データがあるときに本制御命令を受け取った場合は、複写用紙機能は次ページから有効になります。

複写用紙のオーバーレイ印字終了([ESX] 01h 00h 03h [SP] ?z)

複写用紙機能を使用したオーバーレイ印字を終了します。
JIS
ESX 01h 00h 03h SP ? z
16進数
1Bh 7Eh 01h 00h 03h 20h 3Fh 7Ah
842H-0R3