基本制御命令

基本制御命令は、11種類あります。

水平タブ位置への移動([HT])

印字位置を同一行内で最も近い右側の水平タブ位置に移動します。水平タブ位置の設定([ESC] ()
JIS
HT
16進数
09h
現在印字位置より右側に水平タブが設定されていない場合や、次の水平タブ位置が右マージン位置を越えている場合、本制御命令は無視されます。

改行([LF])

復帰改行します。
JIS
LF
16進数
0Ah
現在印字位置は、次行の左マージン位置になります。
下方への移動量は、現在の改行ピッチにしたがいます。
連続用紙のページフォーマット(Fmode 3、4、6)で逆改行モードのときは、逆方向へ改行します。逆方向改行モードの設定([ESC] r)
メニューの印字指令を「CRなど」に設定した場合は、復帰動作を行ったあとで改行します。「CRのみ」に設定した場合は、行バッファーにデータがあると本制御命令は無効になります。

垂直タブ位置への移動([VT])

印字位置を次の垂直タブのある行の左マージン位置に移動します。
JIS
VT
16進数
0Bh
現在印字位置から下マージン位置またはTOF行(次ページの先頭行)までの間に垂直タブ位置が設定されていない場合は、本制御命令は無視されます。
メニューの印字指令を「CRなど」に設定した場合は、復帰動作をともないます。「CRのみ」に設定した場合は、行バッファーにデータがあると本制御命令は無効になります。

改ページ([FF])

印字位置を次ページの先頭行の左マージン位置に移動します。左マージンの設定([ESC] L)
JIS
FF
16進数
0Ch
カット紙のページフォーマット(Fmode 1、2、7、8)では、用紙を排出してページフォーマットにしたがった先頭行に移動します。ただし、上余白が設定されている場合はその位置になります。
連続用紙のページフォーマット(Fmode 3、4、6)では、現在のページ長にしたがった次のTOF行に移動します。移動した位置が物理的に用紙の下端を越えた場合は用紙を排出します。
メニューの印字指令を「CRのみ」に設定した場合は、行バッファーにデータがあると本制御命令は無効になります。

復帰([CR])

行バッファーのデータを印字し、印字位置を同一行の左マージン位置に移動します。左マージンの設定([ESC] L)
JIS
CR
16進数
0Dh
メニューのCR機能を「復帰/改行」に設定した場合は、印字位置を次行の左マージン位置に移動します。「復帰のみ」に設定した場合は、同一行の左マージン位置に移動します。なお、左マージン位置の初期値は、第1文字目の印字位置です。

文字の横幅拡大指定([SO])

文字およびイメージの横幅を2倍に拡大して印字します。
JIS
SO
16進数
0Eh
本制御命令による文字の横幅拡大の指定は、次のいずれかが行われるまで有効です。
文字の拡大指定([ESC] e)で横幅拡大以外のサイズが指定される

文字の横幅拡大解除([SI])

文字およびイメージの横幅を2倍に拡大する指定を解除します。
JIS
SI
16進数
0Fh

データの削除([CAN])

行バッファーに残っている1行分のデータを消去し、印字位置を左マージン位置に移動します。
JIS
CAN
16進数
18h

VFUのセット開始([GS])

VFU(Vertical Format Unit)の設定を開始します。
JIS
GS
16進数
1Dh
VFUは、TOF行から次のTOF行までの6 lpi(1/6インチ改行)の行データで構成され、6つのチャネルを使ってページ長、垂直タブ、ボトム領域を設定して、用紙送りを制御する機能です。VFUを使うと、表などの作成を容易に行えます。
本命令によりVFUの設定が開始され、設定終了 RS コードまでのデータがVFUデータとなります。
ページ長、垂直タブ、ボトム領域の設定のしかたは次のとおりです。
ページ長
ページ長(1ページの用紙の長さで「用紙長」ともいいます)は、1ページのTOF行(先頭行)から次のページのTOF行の前行までになります。したがって、VFUデータの第1行目および最終行+1行をTOF行に指定します。TOF行の指定はチャネル1のビットを『1』に、チャネル2~6を『0』に設定します。
垂直タブ位置
印字位置を垂直方向に移動するタブを設定します。垂直タブは2行目から最終行までの間に任意の行に対して設定できます。垂直タブは、設定を行う行のチャネル2~6を使って5つまで設定でき、実行時にチャネルを指定して目的にあったタブ位置に移動できます。
ボトム領域
ページの最後の印字しない領域を設定します。
この設定は最終行の位置で決まり、それ以降次のTOF行までの範囲がボトム領域になります。最終行は1ページに1行しか存在しません。ボトム位置はチャネル1と2のビットをともに『1』にして設定します。
VFUデータは2バイトで1行分になります。
2バイトのうち、第1バイトのビット1~6がそれぞれチャネル1~6に対応します。ビット7は、つねに『1』で、ビット8(最上位ビット)および第2バイトの各ビットは『0/1』のどちらでもかまいません。
VFU書式は、次のようになります。
ページ長が13行(6LPI)、垂直タブがチャネル2、3に2箇所、チャネル5に1箇所、ボトム領域が4行という設定を行うデータは次のようになります。

VFUのセット終了([RS])

VFUの設定を終了します。
JIS
RS
16進数
1Eh
以降のデータは印字データとなります。

VFUの実行([US])

VFUを実行します。
JIS
US <チャネル番号/改行数(1バイト)>
16進数
1Fh<チャネル番号/改行数(1バイト)>
<チャネル番号/改行数(1バイト)>
VFUで設定したチャネルの垂直位置への移動、または任意に指定した改行数の改行を行います。以下のように値で設定内容が変わります。
<チャネル番号(1バイト)>の場合
垂直方向に移動するチャネル番号を指定します。
範囲:
01h~06h
現在行以降で指定したチャネルに『1』が設定されている行まで印字位置を垂直移動します。
指定されたチャネルに『1』が設定されていない場合は、TOF行まで用紙を送ります(改ページ)。また、ボトム領域は自動的に送られます。
<改行数(1バイト)>の場合
改行数を、実際に改行する行数+16を16進数で指定します。
範囲:
10h~58h(0~72行)
たとえば、5行改行する場合は15h(5+16)、10行では1Ah(10+16)を指定します。
以降のデータは印字データとなります。
メニューの印字指令を「CRなど」に設定した場合は、復帰動作を行ったあとでVFUが実行されます。「CRのみ」に設定した場合は、行バッファーにデータがあると本制御命令は無効になります。
842H-0X1